■触れたくなる後ろ姿■
・触れたくなる後ろ姿
「ほい、遊星。マーサから」
パソコンの前にチョコの入った包みを置いてやると、遊星は画面からようやく顔を上げた。
クロウとカレンダーを見比べて口を開く。
「バレンタインか」
「そ。忘れてただろ」
遊星は基本的に夢中になると他のことを忘れがちだ。
「クロウ兄ちゃんはガキ共にモテモテだぜ」
可愛らしい戦利品を披露しながら言ってやる。
「こういうのってやっぱ嬉しいよな」
遊星は少し居心地悪そうにそわそわしだした。
「で、だ。この家の財布の紐を握ってるこのクロウ様が許可するから、ちっと行ってジャックにチョコ買ってこいよ」
「いいのか」
「勿論」
クロウは大きく頷く。
今朝はジャックがかなりそわそわしていた。
遊星からのチョコを期待していたのだろう。
気持ちは解る。
「すまない」
遊星はそう言って出掛けて行く。
その背中を見送ってクロウは笑った。
「全く世話の焼ける幼馴染共だぜ」
***
ジャ遊+クロたん
14.02.08
好きなところを10こ
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