触れたくなる後ろ姿




・触れたくなる後ろ姿

 

「ほい、遊星。マーサから」
パソコンの前にチョコの入った包みを置いてやると、遊星は画面からようやく顔を上げた。
クロウとカレンダーを見比べて口を開く。
「バレンタインか」
「そ。忘れてただろ」
遊星は基本的に夢中になると他のことを忘れがちだ。
「クロウ兄ちゃんはガキ共にモテモテだぜ」
可愛らしい戦利品を披露しながら言ってやる。
「こういうのってやっぱ嬉しいよな」
遊星は少し居心地悪そうにそわそわしだした。
「で、だ。この家の財布の紐を握ってるこのクロウ様が許可するから、ちっと行ってジャックにチョコ買ってこいよ」
「いいのか」
「勿論」
クロウは大きく頷く。


今朝はジャックがかなりそわそわしていた。
遊星からのチョコを期待していたのだろう。

気持ちは解る。


「すまない」
遊星はそう言って出掛けて行く。
その背中を見送ってクロウは笑った。


「全く世話の焼ける幼馴染共だぜ」



***
ジャ遊+クロたん

14.02.08



好きなところを10こ
White lie

 




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