窓から差し込む朝の光で目が覚めた。
元々寝起きはいい方だが今朝は特によく眠れて、すっきり目が覚めた気がする。
今週の朝食当番はブルーノだし、別に早く起きなくたって大丈夫だけれど、手伝ってやろうか。
そう思って身体を起こそうとして、出来なかった。
自分の身体に白い腕が巻き付いている。
ぎょっとして、見ると、其処に鬼柳が寝ていた。
なんだ、鬼柳か。
そう思って、即座に否定する。
いや待て待て、何でコイツ此処に居るんだよ。
昨日は普通に一人で寝た筈だ。
コイツは一体何時来たんだ。
というか、何時ベッドに潜り込んできたんだ。
確かに部屋に鍵なんて付いていないけれど、ベッドに入りこまれたら流石に気が付くだろう。
自分では人の気配に敏感な方だと思っていたけれど、どうもそうではなかったらしい。
鬼柳がベッドに入ってきたのも気がつかずにぐうすか寝ていたようだ。
つかとりあえずこの手をどけろ。
巻き付く腕を何とか引っぺがそうとしていると、鬼柳がぼんやりと目を開けた。
クロウを見て笑みを浮かべる。
綺麗な笑顔にうっかり見惚れてしまった。
コイツはホント顔だけはいい男だ。
「…ただいま、クロウ…」
「…おかえり」
何がただいまだ、寝惚けてんのか。
そう思うけれど、つい、おかえりなんて返してしまった。
ちょっと嬉しかったから。
遠く離れた土地に居ても、帰る場所は此処なのだと、鬼柳が思っているように感じたから。
「…お前何時来たの」
「夜中…遊星が入れてくれた…」
半分寝惚けているとしか思えない声で、それでも答えが返る。
「あっそ」
遊星の奴また徹夜でDホイール調整してやがったな、寝ろって言ってんのに。
まあそのおかげで鬼柳は締め出されずに済んだ訳だが。
そんなことを考えていたら、剥がれかけていた腕に再び抱き込まれた。
抱き枕だと思ってんじゃねえだろうな。
「あと5分…」
何があと5分だ。
文句を言ってやろうと思ったが、鬼柳はすでに夢の中、すうすうと寝息を立てていた。
この野郎。
よっぽど殴って叩き起こしてやろうかと思ったが、あまりに幸せそうな顔で寝ているので諦めた。
ま、いいか。
今日の朝食当番はブルーノだし、ジャックの時ほど台所が悲惨なことにはならないだろう。
クロウはもう少し惰眠を貪ることに決めて、鬼柳の腕の中で目を閉じた。
END
京クロ・ポッポタイム
クロたんは京介だからベッド潜り込まれても目が覚めなかった
敵じゃない好き安心感信頼、などの理由で
というか
夜這い目的で潜り込んできたら起きたと思う(笑)
これで京クロ文章通算100達成っす!
頑張った私!(自画自賛)
お題は此方から
corona