■約束(京クロ)■
満足京クロ。
ちょっと暗め。
「なんだ、鬼柳。元気ないな。飴食うか?」
「くれ」 クロウが、ほら、と投げて寄越そうとしたのであーんと口を開ける。 しょうがねーなと文句を言いながら、クロウは包み紙を破いて、オレの口に飴を押し込んでくれた。 ついでにペロ、とその指を舐めてやる。 指まで食うな、とクロウは怒った。 その頬が赤いのは、この間の真面目な告白が効いてるせいだろうか。 クロウが、好きだ。 もっとも返事は保留になっているからこそ、元気も出ないという話なんだけど。 「聞いてもいいか?」 「何だよ?」 ころころと貰った飴を口の中で転がしながら、オレは訊いた。 「クロウ、お前いつも飴とか持ち歩いてるじゃん。なんで?」 「飴食べると元気になるから」 「子供かよ」 突っ込んでやるとムキになって言い返してきた。 「ちげーよ、糖分は手っ取り早くエネルギーになるって前ジャックが言ってたんだよ。そんで、ああ甘いもん食べると確かに元気出るなと思ってさ」 ジャックかよ。 今度の突っ込みは声に出さなかった。 明らかに嫉妬だと自分でもわかるからだ。 「それから持って歩くようになったんだよ。元気出したいときとか小腹空いたときとか口寂しいときとかに食べる」 「主に腹減った時じゃねーかよ」 うっせーよ、とクロウは笑った。 その笑いが消えて、真面目な顔になる。 「オレも、聞いてもいいか?」 クロウが言った。 何を質問されるか何となくわかったけど、大人しく頷く。 「お前なんでオレなんか好きだって言うんだ?」 「元気出るから」 オレの答えに、クロウはなんじゃそりゃ、と言った。 「今の話の流れで行くと、オレは飴と同レベルか?」 飴なんかと同じじゃない。 「クロウは太陽だよ」 オレは言った。 長い長い雨の後、気持ちまでじめじめしていたところに現れたオレの太陽。 「なんだそりゃ、大袈裟すぎだろ」 「大袈裟なんかじゃないよ。クロウのこと好きだ・・クロウが死ねっつーなら死んで見せてもいいぜ」 信じて貰いたくてそう言ったら、クロウの表情が硬くなった。 「・・そういう馬鹿なこと言う奴嫌いだ」 「じゃあ絶対死ぬなって言って?どんなピンチになっても必ずクロウの処へ戻って来てみせるから」 お前嘘つきだからなぁ、とクロウは笑った。 そんなことない、とオレは食い下がる。 「言ってよ、クロウ」 「・・・絶対、死ぬな」 「・・うん」 たとえ死人になっても、クロウの処へ戻って来てみせるから。 そしたらオレが本気でクロウのこと好きだって信じてくれる? END 京クロ。 カーリーがダグナになった時に 京介もクロウにあいたい死にたくないって思ったのかなあって思いまして ちょっと書いてみたけど やっぱただの薄ら暗い話になってしまった; だってクロウたん消えちゃうし・・欝にもなるがな。 まあ京介のトコに居るんでしょうけども。
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