■行く(京クロ)■
ダグナ・京クロ
クロウたんも京介戦に来てくれるみたいなので妄想捏造してみた。 京クロ言いつつ、牛尾さんと双子とクロウたんのみです。
「さて、と」
ボマーとのデュエルで、転倒して肋骨を折ったようだ。 ほんの少し動くだけでも痛みが走る。 何ともない振りをしていたが、遊星にはわかっていたらしい。 怪我を理由に、危険だから付いてくるなと言われた。 だけど、行かなくてはいけない。 ダークシグナーとなったものが、あんな風に消えていくのだと知ったからこそ。 ブラックバードに跨ろうとしたクロウを小さな手が止めた。 「待って、何処へ行くの」 「駄目だよ、怪我してるのに」 泣きそうな顔でクロウを止める、小さな双子の兄妹へ頭を撫でてやって告げる。 「ごめんな、オレは行かなきゃなんねーんだ」 「待てよ」 車を運転していた男が言った。 「んだよ、オレは行かなきゃいけねえんだよ」 セキュリティらしいその制服に、つい答える声が尖る。 「行って、あの馬鹿リーダーを一発ぶん殴ってやらないと」 ウチのリーダーの目を覚ましてやらなきゃいけない。 「誰が行くなっつーたよ」 「あ?」 「ほら、こっち来い。何もしないよりはマシだろ」 車の中にあったらしい救急箱を掲げて男はクロウを呼んだ。 「シャツ捲れ」 「お、おう」 言われるまま手頃な瓦礫に腰を下ろし、シャツを捲りあげる。 男は双子を呼んで、子供にも仕事を任せた。 「龍亞と龍可ちゃんも擦り傷に軟膏塗ってやってくれ」 元気に返事をする子供に、クロウの気持ちも少し和む。 「派手にコケたみたいだな。オートを切ってライディングデュエルなんて、めちゃくちゃしやがる」 「うっせーよ」 湿布を貼りながら男がブチブチ言うので、べえと舌を出してやった。 先ほどの警戒心は薄れてきている。 どいつもこいつも憎たらしい餓鬼だな、と男は言った。 遊星のことも入っているのだろう。 「オレは素人だから折れたのかひびが入ったのかどっちだかわからねえが、肺に刺さってるとかそんな酷いことにはなってねぇみたいだな」 「それはわかんのかよ」 「刺さってたら今頃てめえは死んでるよ」 「あっそ」 「包帯きつめに巻いとくが、あんま無理すんじゃねえぞ」 「いてえよ」 「うっせーよ糞餓鬼が。ったく大人の言うことなんか聞きゃしねえくせに文句ばっかり言いやがって」 「そりゃ悪かったな、おっさん」 「おっさんじゃねえ、牛尾だ、クロウ」 「オレのこと知ってるのか」 「ったりめーだ。お前自分が何回保管庫侵入したと思ってやがんだ」 「ちょっとした有名人だな」 「この馬鹿!」 べち、と頭を叩かれたので大袈裟に痛がってみせる。 「暴力反対!」 「やかましい、ほれさっさと行け」 救急箱の蓋を閉めて、牛尾はブラックバードの方へと顎を杓った。 「気が済むまで、きっちりやってこい」 「おう!」 クロウは元気に答えてブラックバードに跨った。 「大丈夫?」 「気を付けてね」 「ああ、ありがとな!」 双子たちの声に笑顔で応え、クロウは遊星に追いつくために走りだす。 後悔なんて後ですればいい。 今やるべきことをするために、行くだけだ。 END ダグナ・京クロ クロウたんも京介戦に来てくれるみたいなので。 嬉しい・・! つか牛尾さんと双子と絡ませてみたかっただけなんですけども。 私だけが楽しいという(^^ゞ 肋骨折ると薬と湿布貼るだけらしいです。あとちょっとバンドで固定したり。 会社で肋骨折った小父さんがそう言ってたよ。 ちょっと動くだけで痛かったらしい。
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