■拳の先(京クロ)■
京クロ
57話後 クロウたんが落ちる遊星たんを 助けてくれると思ってたんだよ、という妄想(^^ゞ
「遊星!」
目の前を落ちていく遊星に向かって咄嗟に其れを投げていた。 手錠状になったその先端が遊星の腕にガチンと嵌る。 本来はデュエルの相手を逃げられないように拘束するためのものだが、こんな場面で役に立つとは思っていなかった。 遊星やジャックはとっくにこんなものデュエルディスクから外してしまったようだけれど、この機能を残しておいてよかった、と思う。 上手く遊星を捕まえることが出来て、ホッとする暇などなく、がくん、と自分自身が引っ張られた。 立っていられずに倒れ込み、半分立穴に身を乗り出すような格好になる。 クロウは狭い横穴の中で必死に両足を突っ張り、僅かな窪みに開いている右手を引っかけて落ちるまいと抗った。 だが、少しづつ引きずられているのがわかる。 残念ながら体格差がありすぎた。 このままでは遊星も自分もあの液体とも固体ともわからない異常な光の中へ飲み込まれてしまう。 「く、っそ・・」 遊星は気を失ってしまったのか、動かない。 意識の無い人間の重さで腕が千切れそうだ。 大丈夫か。 誰かの、声がした。 ついで背中越しに伸ばされてくる白い腕。 その手はクロウの腕を掴んで引き寄せると、さらに遊星を繋ぎとめているワイヤーを手繰り寄せた。 頑張れ、クロウ。 クロウは穴を覗き込む形になってしまっているから、相手の顔が見えない。 振り返ることも出来ない。 だけど この腕を この声を、知っている。 必死でワイヤーを手繰り、ようやく遊星の身体を自分の居た横穴へ引っ張り込んだ。 遊星は気を失っているだけで、特に怪我等は無さそうだ。 其れに安堵して、ふと背後を振り返る。 其処には、誰も居なかった。 わかっていた、其処に『誰か』が居るはずなど無いと。 それでも、クロウは腕を上げる。 「サンキュー、鬼柳」 突き出した拳に、返る拳は無いのだとしても。 END 京クロ 57話後 クロウたんが落ちる遊星たんを 助けてくれると思ってたんだよ、という妄想(^^ゞ 実際は落ちちゃいましたが・・; つか遊星たんをパパが助けてくれるなら クロウたんを助けに京介が来てくれたっていいじゃない!って思った。 ので書いておいた(^^ゞ 拳同士をぶつけるあれが好きです。
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