■おかえり(京クロ)■
京クロ
おかえり京介!
「お、目が覚めたのか、ボマー」
頭の上でクロウの声がした。 ボマー? 聞いたことのある名前のような気もするが、誰のことかわからない。 「クロウ・・・此処は・・」 すぐ傍で男の声がした。 多分こいつがボマーなんだろう。 状況を知りたくて眼を開けようとするけど、なかなか瞼が上がらない。 「遊星が勝って、ダークシグナーになった連中も戻って来たんだ」 「遊星が・・・」 「ああ」 クロウが喋る度に頭に振動が来る。 頭を乗せてるものが動くらしい。 クロウが言った。 「お前、ダークシグナーになったことは覚えてるのか?」 ダークシグナー。 聞き覚えがある。 そうだ、オレはダークシグナーになって・・。 だが其処からは記憶が所々剥がれ落ちた様に無くなっていて、上手く繋がらない。 覚えていることと、覚えていないこと。 何処か他人事のようだ。 確かなのはオレは一回死んで、ダークシグナーになったこと。 そして遊星とデュエルして・・負けて、消えたはずだ。 ボマーという男も多分同じようなものなんだろう。 「私は・・自分の弟妹や故郷の人々を生贄にした・・」 そんなことばっかり覚えてるなんて不幸だな。 まあオレも人のことは言えない。 この断片的な記憶が確かならば、チームの仲間たちに迷惑かけたことになる。 正直、顔を合わせ辛い。 「サテライトで生贄にされた人たちも皆戻ってきてっから、お前の弟妹たちも無事な筈だぜ」 「だが・・」 尚も何か云い募ろうとする男に、クロウはぴしゃりと言った。 「済んだこと、いつまでもうだうだ言ってんじゃねーよ。生きてりゃ何度だってやり直しは可能だろ」 「大事なのは、これから何をするか、ってことだろうが」 ああ、こいつは本当変わってないな、と思った。 前ばかり見て突進していってしまう鉄砲玉。 「そうだな・・その通りだ。すまない・・ありがとう、クロウ」 衣擦れの音と、男が立ち上がり、歩いて行く気配がした。 周りには他に人が居ないのか、しん、としている。 「さて」 クロウが徐に言った。 「てめえももう目が覚めてるんだろうが。いい加減起きやがれ!」 怒鳴り声と共にぺしり、と頭を叩かれる。 「いてっ!」 相変わらず暴力的だな。 眼を開けるとクロウがオレの顔を覗きこんでいた。 近い。 薄々そうじゃないかと思っていたが、クロウの膝枕で寝ていた。 道理で寝心地が良くて眼が開かないはずだわ。 「オレだってアチコチ痛てえんだから、さっさと起きやがれ」 「もう少しクロウの膝枕を楽しみたい・・」 思わず本音を漏らすと、ごつん、と今度は拳が降ってきた。 「いてええ!」 思わず飛び起きる。 「次はぐーで殴るからな」 「殴ってから言うなよ!ったく相変わらずだな!」 まず手が出る。 この鉄砲玉め。 頭を擦りながら文句を言うと、クロウはオレの目をじっと見て、にっと笑った。 握ったままだった拳を此方に突き出す。
京クロ おかえり京介〜!!!!!! カーリーたんは何も覚えてないと言ってましたが 少しくらい覚えててくれないと シグナーたちや シグナーでもないのに首突っ込んで頑張ったクロウたん(そしてシグナ化した)の努力が 報われないじゃんよ;ってことで。 もうとにかく絶対ねえと思ってたので 帰ってきてくれてほんと嬉しい! 生きていれば楽しいことが必ずあるってベルメールさんも言ってたよ(わんぴ) 戻ってきてくれてほんとありがとう おかえり京介!
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