■御挨拶(京クロ)■
京クロ・68話後
クロウたん不在です。
通信が入ったことを告げて、アラームが鳴った。
遊星は其れをサブで使っているノートパソコンへと繋ぐ。 相手の顔も見ずに告げた。 「鬼柳、クロウなら出掛けている」 『えー、じゃあブラックバードの方へ掛け直すわ』 クロウ以外とは話す気も無さそうな京介にジャックが後ろから言った。 「待て、鬼柳。クロウは今、親に会いに行っているのだ。邪魔するな」 『え、クロウの親って生きてたのか?!』 驚いた声を上げる京介に、遊星が苦笑交じりに言った。 今のはジャックの言い方に語弊がある。 「いや、最近知り合った爺さんなんだが、子供が母親と一緒に出て行ってそれっきりらしくてな。それでクロウがオレ達を子供だと思えと」 『へえ』 何かクロウらしいな、と京介がモニターの向こうで言う。 まったくだ、と遊星は思った。 あの場面でさらりとそういう言葉を発することが出来る。 頑なな心さえ、柔軟にしていくような。 其れはジャックも遊星も持っていない力だ。 『にしても、ホントに親が生きてたのかと思ったぜ。ご挨拶に伺わなきゃいけないかと思ったわ』 「ご挨拶?」 『そ』 聞き返すと京介は澄まして言った。 『息子さんをオレに下さいってな』 「ふざけるな!」 ジャックが怒鳴る。 「クロウと付き合いたいのならまずはこのオレを倒して貰おうか!」 モニタに向かってデュエルディスクを構える。 『・・・前から思ってたけどジャックの方がオヤジみたいだよな』 呆れているのか感心しているのか、微妙な表情の京介に遊星は言った。 「大事な幼馴染なんでな」 其れは勿論自分にとっても、だ。 「まあ冗談はともかく、頑固爺さんだが、ウマが合うらしくてしょっちゅう顔を見に行ってるぞ」 『へえ』 ジャックが、ふんと鼻で笑った。 「冗談ではなく、爺さんとデュエルをする羽目になるかもな」 爺さんは本当にクロウを気に入ってるようだし、そういう展開もあり得るかも知れない。 遊星は言った。 「爺さんはなかなか手強いぞ。クロウも苦戦していた」 『マジかよ』 遊星の脅しも入った台詞に、京介が不安そうな顔になる。 「クロウを手に入れるのは容易いことではないぞ」 「オレ達と爺さんを倒した後は、クロウと直接対決だしな」 『遊星、さり気に其処自分混ざってね?』 幼馴染連のクロウに対する執着にやや呆れた口調で京介は言った。 それから、にやり、と笑って告げる。
クロウたん不在で京クロ ウチのジャ遊夫婦はほんとクロたん大好きですいません; 嫁にもらうには全員にデュエルで勝たないとね! しかしクロウたんが京介のこと好きな以上 結婚に反対しても無駄なのであるよ。
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