■飴玉(京クロ)■
京クロ
チーム・サティスファクション時代捏造
「クロウ!」
「お・・っとと」 呼ばれて振り返ると、何か投げられた。 慌ててその袋をキャッチする。 袋の中身は色とりどりの飴玉だった。 「闇市でたまたま手に入ったから。チビ共にあげな」 「サンキュー鬼柳!あいつら喜ぶぜ」 礼を言ってさっそく子供たちの居る部屋に向かう。 こう言った嗜好品はサテライトではあまり出回らないから、手に入れるのは難しい。 偶然見つけたから買ってきたような口振りだったが、わざわざ見つけてきてくれたのだとわかる。 思った通り子供たちは大喜びだった。 「お前ら喧嘩しないで公平に分けろよー」 「はーい!」 楽しそうに分け合う様を眺めていると、一人がクロウの手に4つ飴玉を乗せてくれた。 「クロウ兄ちゃん達にもあげるね」 「くれんのか、ありがとな」 クロウが目線までしゃがんで、頭を撫でてやると子供は嬉しそうに笑った。 その場で1つ包みを開けて口へ入れる。 「うん、美味い」 大きな飴玉を口の中で転がしながらそう言うと、子供はさらに照れくさそうに笑う。 丁度部屋の外を遊星が通りかかったので呼び止めて一個投げてやった。 「お裾分けだってさ」 「ありがとう」 難なく受け止めた遊星は手の中の飴と子供の顔を見比べて、礼を言って去った。 ジャックたちにも渡しておくと子供たちに約束して、クロウは部屋を出る。 出てすぐに京介を見つけた。 「鬼柳、チビ共喜んでたぜ。ありがとな!」 「ああ、そうか。よかったな」 そう言って京介はクロウの頭を軽くかき回す。 クロウはさっきの子供のように笑った。 「あ、そんで、チビ共がお前にも分けてくれるってさ」 ポケットの中を探って、飴玉を出そうとする。 つ、と京介の指がクロウの頬をなぞった。 先ほど口に入れた飴玉を探り出して、突く。 「こっちがいい」 京介は言った。 「は?」 「こっちがいい」 こり、とクロウの頬を指でついて同じ言葉を繰り返す。 クロウは固まった。 何言ってんだコイツ。 京介の分の飴玉を掌に載せて突き出してみたが、同じ台詞を繰り返すばかり。 子供たちにちゃんと渡しておくと約束したし、飴玉をくれたのはそもそも京介だし、チビ共も喜んでたし、ありがたいと思ってるし、子供扱いは不満だけど頭撫でられてちょっと嬉しかったし。 でも何でこいつ今オレが舐めてるヤツがいいとか、わけのわかんねーこと言ってるわけ?! クロウが固まったままぐるぐると逡巡していると、ジャックが通りかかった。 「こっちがいい」 「鬼柳」 繰り返される台詞とクロウの手に乗ったままの飴玉を見て、ジャックが口を開く。 「クロウの脳は容量が小さいんだ。くだらない冗談で混乱させるな。ショートするだろう」 「なんだよそりゃ!俺がバカだってのかジャック!」 「馬鹿だろう」 言うだけ言ってさっさと踵を返したジャックの後を、クロウは最大音量で文句を言いながら追いかけた。 「冗談のつもりはないんだけどな」 背後の小さな呟きは、聞こえなかった振りをした。 END 京クロ なんか昔の京介さんは頭いいけどちょっと変な人なイメージが(^^ゞ 今のはっちゃけぶりをみると、そういう要素は持っていたのだと思うんですよねー。 ジャックが出張ってるのは実は仲良しであった!とわかったからです。 クロウたんが一番年下だったら いちばん上のジャックが可愛がってたのかもーとか妄想すると萌える。 カプ萌えはありませんが。 飴玉ネタをついこの間書いたばかりなのに また使ってすいません(^^ゞ 好きなんだよこういうネタが。
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