■キミは太陽(京クロ)■
京クロ
京介が定時連絡入れてきますよ
昼飯の後、京介は停めてある自分のDホイールのところへやってきた。
「さて、そろそろ時間だし、定時連絡入れますか」 時差を考えても、丁度いい時間だろう。 定時と言っても、毎日連絡を入れているわけではない。 向こうが夕食も済んで寛いでいるであろう時間、なるべくゆっくり話せるその時間帯を狙って通信を入れている、それだけだ。 其れを繰り返しているうちに、必ずクロウが出てくれるようになった。 通信で使ってるのは、遊星のパソコンなのに。 自分からの通信であるとわかって出てくれているのだと思うと嬉しい。 モニター越しだけどちゃんと顔を見て、近況やくだらない話をする。 今日食べた昼食が豆の粉を固めた良くわかんねーもんだったけど、意外に美味かったとか、そういう習慣なのか此処の連中呑気で昼休み超長ぇ、ちっとも働かねぇとか。 そんな話。 クロウが言った。 『旅に出るとか言い出した時はどーなるかと思ったけど、上手くやってるみたいじゃねーか』 「はは」 京介は笑った。 計画も当てもなく、もちろん金だって無く、言うなれば行き当たりばったりで、自分でも最初はどうなることかと思ったものだ。 だけどまあ、やろうと思えば人間何とかなるものだ。 旅するうちに要領が掴めたというか。 「オレさー大事なことわかったんだ」 サテライトを出て、旅に出て、いろんな人間と会ってわかったことがある。 『何だよ』 クロウが訊いた。 「やっぱ人間、太陽ねえと生きてけねえんだわ」 『・・ハア?』 京介の話に神妙に聞き入っていたクロウは、わかりやすく、唐突に何を言い出したんだコイツは、という顔をした。 『・・まあ確かに太陽あたんねーと病気なったりするらしいけど』 「だろ。やっぱお日さまの光浴びないとな!昔見た映画のヒロインも言ってたぜ、人は太陽がないと生きられないって。・・・ん?太陽じゃなくて土だったかな」 『いい加減だなオイ』 クロウは笑った。 つられるように京介も笑う。 「お、と」 今日の雇い主が呼んでいるのに気が付いて、京介は顔をあげた。 呑気なこの地方の休憩も終わったらしい。 其れを察したクロウが画面に向かって拳を突き出した。 『じゃあ、またな』 「おう、またな!」 京介も同じように、拳をモニターにコツンと当てる。 ついでに唇を突き出して、画面に近づいてみる。 ブチン、と音がして通信は切られてしまった。 「ちぇ、照れ屋さんめ」 多分後ろにまだ遊星が居たのだろう。 今度はブラックバードに直接連絡入れよう、と決心した。 「さて、と。そんじゃもう少し頑張って旅費を稼ぎますかね」
京クロ 京介はやっと見失っていた太陽を見つけたの あの子が自分の太陽なんだって気がついたの というデンパをすぴっつのキミは/太陽を聞きながら勝手に受信したので そのまま発信します(メイワク・笑) 土がないと生きられないとか しーたが言ってたと思う。 ごっずはじぶりが好きらしいので入れてみた Dホイールって鍵ないのかな・・;
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