■流れ星(京クロ)■

京クロ
クロたんと遊星たん










時々、高い所に登りたくなる。
ジャックには『馬鹿と煙は高い所に登るものだ』なんてよく言われたけど、高い所に上ると、空を飛ぶ鳥の気持ちがわかるような気がしてた。
空を飛べれば、何処へだって行ける。
例えば、今何処に居るかわからない、あの馬鹿の所だって。
まあ夜は鳥はフツー、飛べないけどな。
屋根の上に登って星を眺めていたら、遊星も上がってきた。
今日の夕飯当番は遊星だから、呼びに来てくれたらしい。
「此処は星が良く見えるな」
夜空を見上げて遊星が言った。
サテライト時代からは想像もつかない満天の星空。
あの頃は飛ぶことばかりに憧れていたけれど。
きらり、と星が流れた。
「お、流れ星」
指差す先を眺めて遊星が訊く。
「願い事はしたか?」
流れ星が消えるまでに3回願いを言えば、その願いは叶う。
そんなおまじないを子供たちに教えたこともあったけど、すぐ消えちまう流れ星相手になかなか出来るもんでもない。
「そんな暇なかったぜ。あっという間だもんよ。3回願わなきゃいけねえんだろ」
お手上げポーズをしてみせる。
遊星が訂正を入れた。
「声に出して、な」
そうだったろうか。
心の中でよかったような気がする。
「声に出すのかよ」
「難易度が上がった方が、クリアした時願いが叶う確率も上がるんじゃないのか」
そう言われればまあ納得できる。
「ほらまた流れたぞ」
「きっ・・・!!」


鬼柳が早く帰ってきますように。


叫びそうになって寸でで堪えた。
けど多分遊星はオレが何を言おうとしたのかなんてわかってる。
「・・・声に出すってマジかよ」


赤い頬を隠しながらもごもご言ったら、遊星がくすりと笑った気配がした。





END




京クロ
京介不在。早く帰ってこないかな。
って素直に言えばいいのにって思ってる遊星たんと
恥ずかしいから絶対言いたくないクロウたんでした(^−^)

流れ星に願い事は「唱える」のがフツーみたいだけど
ぜってえ3回も言えないよね(笑)
 


2009.09.20

 

 

>戻る