■とりあえず(京クロ)■
京クロ
京介が帰ってきましたよ、な話。 クロたんデレ気味
「ただいま、クロウ」
そう言って鬼柳が両手を広げて見せるもんだから、つい飛びついてしまった。 ああ、ちゃんと生きて帰ってきた。 そう思ったらなんかわけわかんなくなっちまった。 そんなカンジ。 旅に出て、そりゃわりとマメに連絡は寄こしてきたけど、もしかしてまたオレの見てないところで勝手に死んだりとかすんじゃねえかなんて、時々考えたりもしてたから。 元気な顔を見ただけで、胸がいっぱいになった。 絶対そんな態度とってやるもんかと思っていたのに、飛びついて鬼柳の身体に手を回して、しっかり抱きついてる。 鬼柳にぎゅうって抱き締められて、腕に力を込める。 ・・・って何やってんだ、オレ。 気がついたら超恥ずかしくなってきた。 遊星は気を利かして、五月蠅いジャックを連れて居なくなってくれたみたいだけど、二人にこんなトコしっかり見られちまったのには変わりは無い。 すげえ恥ずかしい。 顔がものすごく熱くなってるのがわかる。 きっと真っ赤だ。 もう此処からさっさと逃げ出したいけど、この赤い顔を見られるのは嫌だ。 コイツぜってぇ調子乗る! 仕方ないから顔を見られないようにぐっと鬼柳の胸に押しつけて、腕にさらに力を入れた。 「クロウ、顔上げて」 鬼柳が言う。 「・・・やだ」 真っ赤だってわかってるのに上げられるか、馬鹿。 「顔見せてよ」 「やだ」 しつこく鬼柳は言うけど、絶対に顔を上げるもんかとますます強くその胸に押しつける。 「クロウ、耳真っ赤」 「うっせえ!」 しまった、顔だけじゃなく耳も赤かった。 その耳元で鬼柳が言う。 「可愛いから噛んでいい?」 なんでそうなるんだよ!! 慌てて手を離して耳を隠す。 鬼柳は待ってましたとばかりに両手で赤いオレの頬を包んでちょっと引き寄せると、ちゅ、と唇を落としてきた。 今度は慌てて手で口を塞ぐ。 ・・・って今更遅いけど。 「ただいまのちゅう〜」 嬉しそうに笑う鬼柳を、とりあえず殴っておいた。 END 京クロ 抱きついてから、ぎゃあはずい!ってなるクロたんでした(笑) 京介は耳をはむって甘噛みしたかった(^−^) でもちゅうのがいい(笑)
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