■カフェオレ(京クロ)■
京クロでクロたんとブルーノ。
予告でもネタばれでもクロたんは置いてかれるみたいな予感なので その辺捏造。
ブルーノはパソコンからゆっくり顔を上げた。
ぎこちない動きで振り返って言う。 「お帰り、クロウ」 仕事の合間に休憩に戻ってきたクロウはメットを取りながら答える。 「おう」 続けられた言葉に、ブルーノは固まった。 「・・・あれ、遊星は?」 思わず眼が泳ぐ。 「え、っと、ちょっと出かけたよ」 すうっとクロウの目が細められた。 怖い。 「今、お茶入れるね」 ブルーノは逃げるようにクロウに背を向けてポットの方へ行った。 背中を視線が追ってくるのがわかる。 クロウはジャックと同じで普段はぎゃんぎゃん大声を出して怒る方だ。 しかし本気で怒った時は、怒鳴り方が違う。 あんな風に怒鳴られたくなかった。 適当にインスタントコーヒーの粉をマグカップに突っ込みながら考える。 あんまり怒らせないうちに白状した方がいいだろうなぁと思いつつも、どうにも言い出し難い。 言えば、置いて行かれたことがショックだろうから。 「遊星は?ブルーノ」 「・・・遊星に手紙が来て、出かけたよ」 「遊星に、手紙?」 言いたくないのに、クロウは追及を止めてくれない。 渋々、ブルーノは口を開いた。 「鬼柳って人がトラブルに巻き込まれたらしくって、」 クロウの顔色が変わった。 「何処行くっつーてた!?」 ブルーノの腕を掴んで、詰め寄る。 「・・・ごめん、聞いてない」 申し訳なく小さくそう言うと、クロウは腕を離した。 近くの椅子にどかっと腰を下ろす。 「ごめん・・・遊星、ブラックバードに通信入れたんだけど、繋がんなくて」 「ああ・・うん。ブルーノのせいじゃねえよ。わりぃ」 クロウは苦笑してそう言った。 さっき掴まれた腕が、痛い。 此処で暮らすうちに、何度も耳にした『鬼柳』と言う名前が、特別大切なものだと気が付いていた。 遊星やジャックにとって。 そして、クロウにとって。 「ごめんね」 ブルーノはもう一度謝った。 「いや、いいって」 クロウはいつもの調子で軽く言う。 「なんかなぁ、この間も鬼柳を助けたん遊星だったしよぉ、今度何かあったらオレもも少し役立ちたかったんだがな。・・まいいや。遊星なら大丈夫だろし。ちゃんと鬼柳を連れて帰ってくんだろ」 はは、と笑って見せたクロウは、バンダナを少し引き下げた。 沈黙が落ちる。 ブルーノはカップにお湯を入れようとして、遊星の牛乳が残っているのを思い出した。 拝借してカフェオレに変更する。 「遊星が出かける時『鬼柳もクロウにカッコ悪いところを見せたくないだろうし』って言ってたよ」 自分宛てに手紙が着たのはそういうことなんじゃないかと、苦笑を交えながら。 その気持ちはわからないでもない。 「そんなんもう散々見てるっつーの」 不満そうに口を尖らせるクロウに、ブルーノは言った。 「じゃあ帰ってきたらそう言って一発殴ってやればいい」 心配ばっかりさせんな、と。 その方がずっとクロウらしい。 「・・・甘え」 渡されたミルクたっぷりのカフェオレを啜って、クロウはようやく笑った。 END 京クロ せっかくの京介復帰なのに どうも置いてかれるようなカンジなので。 まーたなんかオカシナことになってるみたいだし 一緒に行ってあのロン毛殴ったれよ(笑)
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