■適材適所(京クロ)■
京クロ
ちょっとジャ遊 クロたんをジャックが連れて行きますよ、的な妄想。
「知らねえ、あんな奴!オレは仕事があんだよ!」
「クロウ」 行かない、と言い張るクロウを説得しようとする遊星を見ながら、ジャックは溜息をついた。 何を意地を張っているのだか。 最初に行かないと怒鳴った手前、引っ込みがつかなくなっているに違いない。 鬼柳がまた何か面倒なトラブルに巻き込まれている、らしい。 放っておけないという遊星の気持ちもわかる。 だが、またか、というクロウの気持ちもわかる。 もっともそれだけではないだろう。 ダークシグナーではなくなった鬼柳は、楽しくやっているのだ、もう辛いことなど何もないのだと思い込んでいた自分にも腹を立てているのだ。 そんな風に考えていたくせに、今更どのツラ下げて、助けに来ました、なんて言えるだろう。 ダークシグナーとの戦いの時だって、鬼柳を助けたのは遊星だというのに。 尚も何か言い募ろうとした遊星をジャックは遮った。 「行かないと言っているのだ。お前だけで行ってくればいい」 「でも」 「大丈夫だ」 任せておけ。 遊星はジャックの目を見て、それからゆっくり頷いた。 「わかった。行って来る。クロウ。・・大丈夫だ、ちゃんと鬼柳を連れて帰って来るから」 クロウは背中を向けたまま、返事をしなかった。 * 「と、いうわけで今日は遊星は居ない」 「ええーそうなの」 学校帰りに遊びに来た双子の片割れが不満そうに声を上げた。 「でも、遊星一人で大丈夫かしら」 龍可が心配そうにそう言う。 「まあ奴のことだから特に問題はないだろうが、物事には適材適所、というものがある」 「テイザイテキショ?」 「その仕事をするのに合った人を連れてきてやって貰う、みたいな意味よ」 「ふうん・・っていうかそのリヤカー何?ジャック」 妹の的確な説明を聞き流して龍亞が聞いた。 「ゾラの所から借りてきたのだ」 ジャックは胸を反らす。 「ホイールオブフォーチュンに、荷台を付けるなど、このオレの美学が許さないからな!」 「ああ、クロウの仕事を手伝ってあげるんだね。いいとこあるなぁ」 ブルーノがのんびりと感心したように言った。 仕事があると言ったクロウの言葉は確かに事実で、今日に限ってとても忙しそうだ。 「此れが片付けば、仕事があるからなどという言い訳はもう通用せんからな!」 そもそも言い訳を使うなんてこと自体がクロウらしくないのだ。 龍亞が元気に手を挙げた。 「オレも手伝う!」 「私も!」 「ボクも手伝うよ」 「もちろん手伝って貰う!まずは荷物の仕分けだ!」 ジャックの号令で、皆が動き出す。 「ねえ、それでなんでテキザイテキショなの?遊星だけじゃダメってこと?」 荷物をリヤカーに乗せながら思い出したように龍亞が聞いた。 ジャックも荷物を乗せながらニヤと笑う。
京クロ 遊星たんだけでやってきた理由を考えた結果 このような妄想になりました(^^ゞ 後から来てくれる!って信じたいよー あと頼れるカッコよいジャックも書きたかった(^−^) 後は任せておけ大丈夫だ!みたいな。
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