■鋏(京クロ)■
京クロ。
チーム・サティスファクション時代。 ギャグですよ。
「口にするなっつーってるだろうが!!」
叫んで、思いっきり殴ってやった。 何度言っても何度言っても何度言っても、というか何度殴っても、京介は隙を見て口にキスしてくる。 これがデコとか頬っぺたなら、嫌だけど、まあまだ許してやらなくもないのに、何故しつこく口にするんだこの馬鹿は! が、京介は特にへこたれることもなく、言い返してくる。 「別にべろちゅーじゃないしいいだろう?!」 「いいわけあるか!!」 もう一発、ガツンとかましてやったが、まったく引き下がる様子がない。 さらに迫ってくる。 「殴ったんだから、べろちゅーする!」 「ふざけんな!」 自慢のデコで頭突きを食らわしてやったが、あっという間に立ち直って、再び唇を突き出してくる。 きもい! どうしてもキスしようとする京介とさせまいと抵抗するクロウの攻防が続く。 其処へジャックがやってきた。 「ジャック、こいつ何とかしろ!」 助けを求めるクロウにジャックは短く言った。 「殴り殺せ」 「なんでそんな物騒な返答なんだよ!」 「後腐れなくしっかり殺しておいた方がいい」 毎度の騒ぎに、ジャックも少なからずキレていたらしい。 ばきばきと指を鳴らす様子にクロウは青ざめる。 やばい、本気だ。 「まてこら!」 キスしようとする京介と、それを殴ろうとするジャックを制して、さらに面倒くさい状況になる。 明らかに助けを求める相手を間違えた。 つか多分こいつ、殴ったくらいじゃ死なねー! さっきから何回も殴っているけど全然効いてないし! ああもうどうすりゃいいんだ。 「何を騒いでいるんだ」 其処へ救世主がやってきた。 何をやっていたのか、手には裁ちばさみを握っている。 十分凶器となりうる。 ちょっと物騒だ。 しかしジャックほど極端には走らないであろう遊星に、クロウは助けを求めた。 「遊星、助けろ!」 遊星は一瞥して状況を理解したようで、徐に静かに口を開く。 「二人とも、クロウから離れろ。今すぐ離れないと」 じゃきん、と鋏を鳴らして言う。 「切り落とすぞ」 今までの喧騒は何処へやら、しん、とその場が静まり返った。 表面上はそうでもないように見えたが、毎度しつこいこの騒ぎに、遊星も怒っていたらしい。 本当にやりそう。 怒らせたら一番怖いタイプだ。 しかし、離れ際、しつこく頬っぺたにキスしてきた懲りない京介を、クロウは思いっきり蹴ってやった。 END 京クロ。 ジャ遊夫婦とその愛娘クロウたん、愛娘に言い寄る京介さん、みたいな(笑) 京介さん変な人ですいません。 何を切り落とすんですか?という質問には答えられませんのでよろしく。 何ってナニですよ。
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