■愛されてるね(京クロ)■
京クロ
+遊星たん+青野 京介が満足忘れたなんて言うから!
「忘れちまったぜ・・満足なんて言葉」
「そうか・・わかった」 クロウはぐっと拳を握りしめて、何かに耐えているようだった。 俯いたまま、容姿どころか内面まで変わってしまったらしい京介から離れていく。 そうしてかなり遠くまで項垂れたまま歩いて行って、唐突に振り返った。 これから演技をする体操の選手か何かのように掛け声を出す。 「よし、行くぞ!」 其処からものすごい勢いで走ってきたクロウは、その助走の勢いのまま渾身の力で京介に飛び蹴りをかました。 会心の一撃。 食らった京介は文字通り吹っ飛んで、地面の上をゴロゴロと転がった後、動かなくなった。 いやよく見ればぴくぴくと痙攣している。 「どうだ!思い出したか!?」 クロウはその物体に向かって叫んだ。 返事はない、ただの屍のようだ。 成り行きを見守っていた遊星が口を開いた。 「クロウ、鬼柳は記憶喪失というわけじゃない」 「でも遊星」 成程、いきなりのこの行動はショックを与えて思い出させようとしたものらしい。 「コイツが、『満足』を忘れるなんて、そんなこと・・っ」 クロウは言葉を詰まらせた。 遊星はしばし考えて、再び口を開く。 「記憶喪失というわけではないが、ショック療法はそれなりに有効な手段だと思う。・・・・・・・・・・・多分」 「そっか!よし、じゃあもう一回だ!」 「ちょ、待て!こんなん何回も食らったらマジ死ぬて!!多分てなんだよ!!」 転がっていた屍が何か叫んだが、其処は綺麗にスルーされた。 * 腰も背中も痛くて、ベッドの上に伸びているしか出来ない。 抜きそこなった達磨落しみたいに、どっか骨が一個ずれてるんじゃないだろうか。 結局5回の蹴りを食らった京介は、6回目で白旗を上げた。 そして今に至る。 「大丈夫かい?」 のんびりした口調で覗き込んでくる青い髪の男は、現在遊星たちの所に居候しているのだそうだ。 名前は何と言ったか。 聞いたはずだが、正直どうでもよかったので覚えていない。 それでも京介は愛想よく対応はした。 「ああ、どうも。ちょっと死にそうかも」 なるべく軽い調子で言うと、相手もわかるよキツイよね、と返答してきた。 「ぼくもアレ食らったことあるからね」 「へえ」 「まあぼくは一回でドクターストップかけて貰えたけど」 遊星たちの他にギャラリーが居て、それ以上やったら死ぬと判断したらしい。 常識人が居ると助かるよな、と非常識代表の癖に思う。 「一回で済んだのか、よかったな」 そう言うと、青い髪の男は首を傾げて見せた。 「よかった、かなあ?」 んー、と考えて続ける。 「ぼく、記憶喪失なんだよね」 「思い出したわけじゃないのに、一回でオシマイにされたってことは、割とどうでもいいからじゃないかなぁ、とかちょっと考えたりして」 「キミは愛されてるんだね」 邪気のない顔でにこりと笑うその男に何と答えていいものかわからず、京介は沈黙した。 END 京クロ だって満足忘れたなんて言うし GX再放送の方のロングバージョン予告では なんか僻んだこと言ってるし もーアイツ殴るしかないでしょ!って思った 暴力的でごめんなさい でもそれって全部クロたんの愛なの!(ばいドクロちゃん) ってヤツです(^^ゞ 青野が気の毒な扱いになった件はほんとゴメン。
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