寝ても覚めても考えるのは。なぜだか夢で会いました。名前を呼ぶと目で威嚇する。さよならまた明日、嫌いじゃないよ。たまには甘いのあげようか、って。



 

ぎゅう、とハグして、それから、愛してるなんて言う。
馬鹿、お前こんなところで…!
と思ったところで目が覚めた。
夢かよ。
いや全部夢ってわけでもない、実際昨日の夜アイツから電話がかかってきたのだ。
その時言われた台詞が夢に出てきた、それだけだ。
それだけなのに、鬼柳の腕とか抱きしめられたときに首に触れた髪の感触とかが妙にリアルで、なんかもう無駄にドキドキする。
今日明日オフだし、ちょっと行って顔見てくるくらいは出来るんじゃね?とか考えてしまう。
そういや夢の舞台は空港だった。
一番早い飛行機は今から行って間に合うんだろうか。
色々考えながら慌ただしく支度を始めると携帯が鳴った。
今、空港着いたトコ!
嬉しそうに奴が言う。


…正夢だった。


アイツ本当に馬鹿じゃねえの!と声に出して言いながらそれでもつい笑ってしまうのだ。


***

寝ても覚めても考えるのは。


クロたんプロになった後
此れから本当に正夢になる。


11.10.30

 


 

ソイツ、の黒い目にはオレなんか映って無かった。
遊星、遊星ってそればっかり繰り返してる。
違う、最初は映ってた。
『クロウも一緒か』って言ったんだ。

「クロウ、大丈夫か」
目が覚めたら鬼柳が人の顔を覗きこんでた。
長い髪。今の鬼柳。
「悪い夢でも見たか」
魘されてた、と奴は言う。
「・・なんでもねえ」
そう言うと鬼柳はそうか、と言ってオレの頭を撫でた。
ちゃんと奴の目にはオレが映っていた。

***
あの「クロウも一緒か」で
京クロ!と思ったのよね・・


なぜだか夢で会いました。


11.07.21

 


 

まるで野良猫みたいだ。
こっちが近付けばその分遠のいて、それでも其処から此方の様子を伺ってる。
敵意があるとみればあっという間に逃げてしまうだろう距離で持って此方の出方を見ている。
昨日、隙があったから軽くキスしてみた、だけなんだけど。
人のことぶん殴って逃げ出して、今日はこの調子だ。

いつでも逃げ出せる距離だけれども、それでも隠れたりしないで此方の様子を見てる。

此れは期待しちゃうじゃないか。
脈アリじゃないかって。

***

名前を呼ぶと目で威嚇する。



期待する。

11.05.27

  


 

荷物を届けて、シティへ帰る時は、京介はほんの少し寂しそうな顔をする。
隠そうとしているらしいから、クロウも気が付かない振りをする。
気が付かない振りをしたって、本当はわかってる。
京介も昔と違って大人になったけれども、かまって欲しい寂しがり屋、という本質はそうそう変わらない。
だけど、京介もこの街でやることがあるし、クロウにだって仕事も大会もある。
だから、此れからも頑張るための、帰りの台詞はいつも同じだ。

「じゃ、またな!」

次を約束する、言葉。


***

さよならまた明日、嫌いじゃないよ。


また会う約束があれば頑張れるよ

11.03.23

 



小腹が空いたので底値で買ってきたチョコを食べていたら、鬼柳がやってきた。
「お、いいもん食ってるじゃん。一個くれよ」
「ん」
小さな12個入ったチョコはまだたくさん残っていたので箱ごと差し出してやる。
が、鬼柳は其れに手を出そうとはしなかった。
「食わねえの?」
「食べさせて❤」
一応聞いてみると思っていた通りの言葉が返ってきた。
馬鹿かてめえは。
「お前ぜってえ指舐めるからやだ」
「・・・・・舐めないって」
嘘付け、何だ今の間は。
「もうやんねえ」
箱を引き寄せて自分の口へ一粒放り込む。
と、急に引き寄せられて、ペロリ、と唇を舐められた。

「指じゃなきゃいいんだろ?」


***

たまには甘いのあげようか、って。


ばれんたいーん
殴りたいけど我慢したところが甘さ、というか貴重なデレ(笑)

11.02.14


恋するカレンダー12題 2
お題Fortune Fate

 


 

 

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