■黒い瞳(京クロ)■
京クロ
ダグナー京介←クロウみたいな。 京介は出番なしです。
遊星の怪我が思ったよりも軽く、命に別条はないことを確認すると、クロウはDホイールに跨った。
やらなければならないことは山ほどある。 シグナーと、ダークシグナーの戦いが始まったのだ。 遊星と京介のデュエルを目の当たりにして、実際にダメージを受ける、というその恐ろしさはわかったつもりだ。 だが、『シグナーとダークシグナーの戦い』と言うものが、よくわからない。 戦いが始まったのだという、実感がわかない。 シグナーでは無い、からだろうか。 それはシグナーでなければ、戦えないものなのだろうか。 謂わば部外者の自分に出来ることはないと? 遊星を見る、以前と違う京介の黒い眼ばかりが印象に残った。 アジトに到着すると、子供たちがクロウの周りに集まってきた。 「クロウ兄ちゃん、お帰りなさい」 「クロウ兄ちゃんお土産は?」 「ねえ、お土産無いの?」 口々に言う子供たちに、クロウは言った。 「悪いな、今回は土産無しだ」 「ええー」 不満気な子供たちに、ブラックバードを降りて目線を合わせるように屈みこんで言う。 「ちょっと面倒事が起こったんだ。しばらく戻れないかもしれない。・・・お前らだけで大丈夫だな?」 何時になく真剣なクロウの様子に、子供たちも神妙な顔つきになる。 「大丈夫だよ、クロウ兄ちゃん」 「任せて!」 「頼もしいな!」 クロウは笑って、子供の頭を掻きまわすように撫でてやった。 「じゃあ、頼んだぜ。いつもみたいに見たことない変な奴が来たら隠れてること。絶対出てくるんじゃねーぞ。何かあったらオレのブラックバードに連絡してくれ。パソコンの使い方は教えたな?」 「うん、大丈夫」 「よし!」 さらに細かい指示を2,3出し、必要なものを何点か持って、出発しようとしたクロウに、子供の一人が言った。 「クロウ兄ちゃん、何処へ行くの?」 不安そうなその瞳に、自分の顔が映っている。 不安なのは自分の方かもしれない。 らしくもない顔をしている、と思った。 照れも恥じらいもなく、目を合わせて喋る奴だったから 時折こちらの方が照れくさくなって目を逸らしたりもした。 子供を相手にするように、屈んで目線を合わせようとしたりするので 思いっきり脛を蹴ってやったこともあった。 だけど、あの金の瞳に自分が映っているのを見るのが 本当は、嫌いじゃなかった。 クロウは子供の頭を撫でながら答えた。 「まず、人を探しに行くんだ」 「だあれ?お友達?」 「・・・ああ」 尋ねる子供に頷いて、言う。 「大事な、仲間だ」 その言葉が、自分に言い聞かせるためのもののような気がした。 「じゃあな、いい子にしてろよ」 子供たちの元気な返事を背に、クロウは再び自分のDホイールを走らせる。 やらなければいけないことは山ほどある。 遊星の壊れたDホイールのための部品集めだって手伝ってやらなければならない。 それに。 「情報収集と先鋒が『鉄砲玉クロウ』の本領だよな!」 まずは奴の足取りを追わなければならない。 シグナーとダークシグナーの戦い。 そのどちらでもないとしても、関係ないなどとは言わせない。
京クロ ダグナー京介←クロウみたいな。 クロウたんが居なくなったのはやっぱ京介を追っかけて行ったのよね! ということで妄想で補完してみました(^^ゞ
|