■昼寝(京クロ)■

京クロ
ポッポタイムで京介と











 


シティに用があって街からやってくる時は、鬼柳は必ずポッポタイムに顔を出していく。
町長としてどんなに忙しくても其れは変わらなかった。
クロウが宅配の仕事を兼ねてサティスファクションタウンへ出向くこともあるが、長い時間は居られない。
大会に出る為に資金も稼がなければならないし、練習もしなければならない。
そんなに時間を割けないのが実情だった。
その辺の所を鬼柳はちゃんとわかってくれていて、その分自分が何とかしようとしてくれる。
今日も少しでも長くこちらに居たいからと、昨日の夜から休みなしでDホイールを飛ばしてきた、という鬼柳は、ソファの上で眠そうにしている。
疲れているのだろう。
それでなくても長距離の運転は疲れるものだし、しかも此方に遊びに来たわけでなく仕事だ。
せっかく久しぶりに顔を合わせたのだからもっと一緒に話したりデュエルしたりしたい。
けれど休ませてやりたい。
どちらも素直な自分の気持ちだ。
忙しいなら別にわざわざ寄らなくたっていい、と思う。
でも会えるだけでも嬉しい自分が居るのも確かなのだ。
「おい、寝んなら上に行けよ。オレのベッド貸してやるから」
そう後ろから声をかけて軽く肩を揺する。
「んー…」
鬼柳は生返事をするばかりで動こうとしない。
こんなところで寝たら身体は痛くなるし風邪引くかもしれない。
寝るならもっとちゃんとした処で寝かせてやりたい。
クロウは正面に回ってもう一度鬼柳の肩に触れた。
「おい、鬼柳…」
「んん…」
肩に置いた手が急に引かれた。
「ちょ、鬼柳…っ」
あっという間に抱き込まれてしまった。
動けない。
「鬼柳っ…ちょ離せって…」
何とか逃れようと試みるが、当の鬼柳は寝ぼけているのか何なのか、離す気はなさそうだ。
そのうちに本格的に寝息を立て始めてしまった。
「抱き枕かっつーの…」
気持ち良さそうな寝息にクロウは腕の中から出る努力を放棄した。
そのまま力を抜く。
すると此方までだんだん眠くなってきた。
今日はもう急ぎの仕事もないし、このまま抱き枕の役目を果たすことにしよう。
そう思って目を閉じ、鬼柳の胸に頭を預ける。


こんなところで寝たら風邪引くって。


眠くて働くなってきた頭でぼんやりそんなことを考えたが、すぐに辞めた。

 




きっと遊星あたりが優しく笑いながら毛布でもかけてくれるだろう。




END






京クロ
ポッポタイムで京介とお昼寝
ブルーノちゃんか遊星たんが毛布掛けてくれる。
ジャックなら多分叩き起される(^^ゞ

クロたんを抱き枕にする京介が書きたかったの







2011.09.03

 

 

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