お揃いのマフラー、君の好きな色オレンジ色した悪戯な灯り銀の星に祈るふたりの逢瀬勇気をくれたチョコレートブラウン一年の願い結びあう紅梅の枝



 

「シティにはいろんなものがあるな」
遊星がショウウィンドウを覗きながら言う。
機械以外には興味がないかと思ったがそうでもないらしい。
クロウは答えた。
「そりゃそうだろ」
金さえあれば選り取り見取りだ。
とは言っても大会に出場する為にエンジンの開発に金を注ぎ込んでいる身としては贅沢は出来ない。
「マフラー一つとってもいろんな色があるんだな」
「そうだな」
サテライトでは自分の好きな色なんて選べなかった。
あるものの中で選択しなければならなかった。
贅沢なんて言えなかった。
遊星は楽しそうにそう言って此方を振り返る。
「クロウならあの中で何色を選ぶ?」
クロウは笑って問い返した。

「お前は?」

自分ならどんな色を選ぶだろう。
きっとそれは誰かを連想する色。


***
京クロでジャ遊


恋するカレンダー12題 
お揃いのマフラー、君の好きな色

 

12.11.24

 


 

 

「悪戯1択で」
「ハロウィンはそういうイベントじゃねえだろ」
ゴス、と頭に手刀をくれてやる。
鬼柳は頭を押さえて呻いた。
コイツ一体何しに来たんだ。
ハロウィンに合わせてわざわざシティまで出てきて。
街の方大丈夫なんかよ。
「菓子を貰いに来たんだろう」
遊星が優しく笑う。
「素直に歓迎してやったらどうだ」
ジャックが鼻で笑う。
うっせーよお前ら。

久しぶりに会えて嬉しいなんてそんなこと。

言うの恥ずかしいだろが!


***
京クロ
幼馴染みにバレバレ

恋するカレンダー12題 
オレンジ色した悪戯な灯り

12.10.27

 


 

「こんばんは、彦星です」
「誰が彦星だ」
仕事から帰ってきたらポッポタイムの前に居た男が阿呆なことを言った。
鉄拳制裁のつもりで拳を振り回したが、避けられてしまった。
この野郎。
「お前、街の方はどうしたんだよ」
「ああ、シティにちょっと用があって来たんだって」
町長職というものは書類だなんだと結構忙しいらしく、シティにも仕事で来ることも多い。
今回もそれだったらしい。
だったらそう言えっての。

とはいえ、なんだかんだ言ってちゃんと顔を出して行ってくれるのが実は正直嬉しい。

なんて絶対本人には言わないけれど、きっとバレテいるのだろう。

***
京クロ
素直じゃない織姫(^^ゞ


恋するカレンダー12題 
銀の星に祈るふたりの逢瀬

 

12.07.29

 


 

「ちわーブラックバードデリバリーです」
「クロウ!」
飛び付かんばかりの京介の鼻先にクロウは荷物を突きつけた。
「誰から?」
「いいから早く受け取りにサインしろっての。オレは忙しいんだよ!」
2週間くらい前からメールや電話で、チョコが食べたいなとか遠まわしに、しかしわかりやすくバレンタインの催促をしていたというのに、仕事で来ただけとは。
「じゃあな!」
しかも休憩していく訳でもなくさっさと帰ろうとする。
「待て待て、休憩くらいして行けって」
「いいっての!」

だが此処でクロウの耳が赤いことに気が付いてしまった。

こうなると送り主不明の箱の中身なんて何だかわかってしまう。
わかったらもうこのまま帰すなんて出来っこない。

***
勇気をくれたチョコレートブラウン

素直にチョコを渡せないクロたん
しかしばれるとわかっているから早く帰りたかった
でも逃走失敗(笑)



12.02.17

 


 

双子にせがまれて出かけた初詣でおみくじを引いた。
出たのは「吉」
他のメンバーもそれぞれくじを引き中吉だの末吉だの様々な内容を引き当てている。
其れはいいが「吉」っていいのか悪いのかわからない。
大吉が一番良くて、大凶が一番悪い、くらいはわかる。
その間がどうなっているのかよくわからない。
内容も小難しく書いてあってクロウにはさっぱりわからない。

唯一理解できたのは「待ち人来たり」の一文だけ。

まあ悪くないならいっか。
横から覗きこんだ遊星が「よかったな」なんて笑うから何だか照れ臭かった。


***
一年の願い結びあう紅梅の枝

そんな京クロ。

おみくじは大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶・大凶の順
ただ吉が末吉より下って説もあるみたいです。
この場合は大吉の次のつもり。

12.01.26


恋するカレンダー12題 
お題Fortune Fate


 

 

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