■チョコレートを堪能(京クロ)■ 駄目社会人京介×保育士クロたんのシリーズ ばれんたいん。 今までの話はこちら >りぼんをかけ〜て〜♪
休日出勤を半日で何とか終わらせて帰宅の途に付く。 早くウチに帰りたくて急ぐ、街の中はお祭りムードと甘い香りが溢れていた。 色で言うならピンクか茶色。 ああ、バレンタインか。 ようやく其処で思い出した。 仕事が忙しくて忘れていたとは不覚だ。 昔は興味のなかったイベントだけれども、今はそうじゃない。 オレの可愛いコイビトは甘いものが実は結構好きだから、何かプレゼントしなければ。 そんなことを考えながら自宅の扉を開けると、其処も甘い匂いで満ちていた。 「おかえり、飯食うだろ」 「・・・ただいま。食べる」 可愛いコイビト、オレのクロウは、小さなチョコを数個づつ、可愛らしい袋に入れてリボンで結ぶラッピング中だった。 ただいまのちゅう、と行きたい処だが、今邪魔すると確実に怒りそうなので先に手洗いうがいを済ませてくる。 「昼飯サンドウィッチな」 テーブルの端にラッピングしたチョコを纏めて、クロウがサンドウィッチを持ってくる。 先に作ってあったらしい。 玉子サンドに齧りつきながら聞く。 「子供にやんの?」 保育士として働くクロウは大きく、おう!と頷いた。 「クロウ兄ちゃんから可愛いガキ共に友チョコだぜ」 依怙贔屓なく、同じ大きさのハートや星形のチョコが同じ数づつ。 多分、板チョコを溶かして型に入れて固めただけのシンプルなものだ。 「そっちは?」 少し大きな袋が何個かあったので其れを指して聞くと、遊星とジャックたちの分、と返答があった。 思わず聞いてしまう。 「・・・オレの分は?」 態と拗ねた口調で聞くと、言うと思った!とクロウは笑った。 「お前の分はガトーショコラだから、今冷やしてる」 ちゃんと子供達とは別格扱いしてくれてるらしい。 嬉しいかも。 「それは?」 湯煎で溶かした状態のチョコレートがボールの中に残ってるのを指して聞く。 まだ他にもチョコを作るのだろうか。 「此れはチョコレートフォンデュ用」 サンドウィッチを口に押し込んでクロウは言った。 どうやら此れの為にパンの耳もとってあるらしい。 「食ったことあるか?チョコフォンデュ!すっげー美味いんだぜ」 こう、噴水みたいのに突っ込んでチョコ付けて食うの! うきうきとクロウは続ける。 噴水じゃなくてファウンテンとか言うんじゃね?と思ったがまあ話はわかるので黙っておいた。 「マシュマロもあるけど、やっぱイチゴだなイチゴ!」 しっかりヘタを取ってあるイチゴやら、切ったバナナやら、缶詰のパイナップルなんかもテーブルに並べられた。 ちゃんと串まで用意してる。 サンドウィッチよりこっちがメインのようだ。 「チョコフォンデュなんて何処で食べたん?」 「なんじゃたうん」 さっそくイチゴを口に入れてクロウはもごもご言った。 「遊星とジャックと行ったんだけど、バレンタイン時期だったし、今思うと気を使われてたんかもな」 昔っからあいつ等はモテたけど、オレは何故か女っ気無かったからなぁ。 そう言いながらクロウは少し口を尖らせる。 子供は好きだし面倒見はいいし料理も上手で一緒にいて楽しいこと請け合いなのに、まったく世の女共は見る目が無い。 まあそのおかげでオレは今幸せなんだけども。 「笑うな」 そんなことを考えてニヤニヤしていたら、とす、と額に手刀を食らった。 「お前はどうなんだよ。モテたんだろ?」 「オレの取り柄は顔だしね」 「自分で言うな」 威張るとこじゃないけども、顔だけは人並み以上だから。 其処だけだっつー自覚はあるけども。 「まあ興味が無かったから全然受け取らなかったけどな」 バレンタインというイベントもチョコを渡そうとやってくる女の子たちにも当然全く興味が湧かなかった。
現ぱろ・京クロ バレンタインでいちゃいちゃ。 チョコフォンデュをなんじゃタウンでっつーのは実話です。 餃子とアイスと佐世保バーガーとチョコフォンデュを食べた。美味かった(笑) ところで出会いの飴をやる話をまだ書いていないことに気が付いたり・・・
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