■子供レベル(京クロ)■ 京クロ・現ぱろぱられるです。二人とも社会人で仕事してる感じで。
今までのまとめ
久し振りの休み、天気もいいし布団でも干そうか、と思った矢先、玄関のチャイムが鳴った。
こんな朝からやってくる非常識な奴に心当たりは一人しかいない。 扉を開けると案の定、京介だった。 今日は出勤日らしく、スーツを着込んでいる。 「クロウ・・熱い」 京介はそう言うといきなり抱きついてきた。 言葉通り、大分体が熱い。 「お前熱あるじゃん!何やってんだよ」 とりあえず引きずりこんで、ベッドへ連れて行く。 「上着脱げ、そのまま寝んな!」 スーツを上下引っぺがして、何故か部屋に常備されている京介用のパジャマを引っ張り出す。 「ったくなんでウチ来るんだよこの状態で。自分のウチで寝てろよ」 ぶつぶつ言いながら探してきた体温計を渡すと、京介は口に咥えようとした。 「咥えんな!人のウチの体温計を!!脇で測れ脇で!」 いつもの調子で殴りそうになるが、寸でで堪えた。 一応病人だ。 やがて電子音が体温を測り終わったことを告げる。 「9度4分・・結構あるな」 「あー道理で熱いはずだわ・・」 「つかお前これインフルエンザじゃねーの。インフルエンザで人のウチ来て寝るってどんだけ非常識なんだよお前」 「・・インフルエンザならしばらく会社休めるかな」 「聞けよ」 一流企業に勤める京介は、それなりに仕事の出来る男であるはずだが、社会人としては結構駄目駄目だ。 「明日も熱下がらなかったら病院行けよ」 言いながら冷蔵庫を開ける。 「お粥とか作ったら食えるか?食欲ある?」 「食べたくない・・」 台所から奥の部屋に声をかけると小さな声が返ってきた。 本気で具合が悪そうだ。 市販の薬を飲ませるためには何か腹に入れた方が良いのだが。 冷蔵庫を探ると、飲むゼリーが出てきた。 「お、これでいいか」 そのままでもいいかと思ったが、ハサミで入れ物を切って中身を小鉢に移す。 クロウは盆に小鉢と水の入ったコップ、それにスプーンと薬を乗せて部屋に戻った。 「おら、食っとけ」 「いらねぇ・・」 クロウは無理やり京介の身体を起こすと、カーディガンをかけてやった。 その上で、小鉢を持ってスプーンで一口掬う。 「ほら、あーん❤」 ハートマーク付きのクロウの笑顔に、京介は今度は大人しくゼリーを食べた。 その様子を見ながら、ウチの餓鬼共と一緒だな、とクロウは思う。 クロウが保育士として働く職場にはいろんな子供が来る。 もちろんこんな風に手のかかる子供も居るわけだが、すでに大人である、という点を含めて京介はその子供たちよりも性質が悪い。 そういえば薬の苦手な子用に包んで食べさせるゼリーも市販されていたな、と思った。 やはりレベル的に子供と大差ない。 「お前、今日会社休むって連絡したのかよ」 出勤途中らしいスーツ姿だったことを思い出して、クロウはそう問うてみた。 「まだ・・」 布団に戻った京介は頭までかぶった毛布の下からそう答える。 「お前なあ」 「・・携帯、ポケットん中」 「自分でしろよ!」 言いながら上着のポケットを探り、京介の携帯を取り出す。 自分で電話しそうもないので、メモリを見ながら訊いた。 「会社名で入ってんのか?」 「・・ルドガーってヤツ」 「ルドガー?」 メモリを探して通話ボタンを押す。 呼び出し音の合間にクロウは聞いた。 「同僚?」 「・・上司」 「上司かよ!」 てっきり仲の良い同僚か何かだと思ったのに、京介の答えはクロウの予想と外れていた。 心の準備が出来ていないうちに相手が出てしまい、ちょっと慌てる。 「あ、おはようございます。えっと今日は熱が高いので休ませてください。え、ア・オレは鬼柳の、友人・です」 京介の上司だ、迂闊なことは言えないし、言葉使いも気をつけなければいけないし、心証を悪くするようなことは避けたいし、かなり緊張して何とか通話を終える。 携帯を切ってふうと息を吐くと、京介が言った。 「友人じゃなくて家内って言えばいいのに」 「誰が家内だ!」 「内縁の妻でもいいし」 「違うだろ!!」 病人だと思って控えていたが、つい突っ込んで殴ってしまった。 やがて京介は薬が効いたのか、寝息を立て始めた。 この様子ではインフルエンザではなかったようだ。 どちらにせよもう一日くらい休ませた方がいいだろうか。 しかしそうするとクロウも休まなければならない。 この大きな子供は一人で大人しく寝ているような輩ではないからだ。 やれやれ、とクロウはため息をつく。 休みの電話を入れるとしたら「うちの子供が熱を出して・・」と言うしかないな、とクロウは思った。 END 京クロ・現ぱろ クロウは子供好きだし、保育士かなんかで。 京介は仕事できるけど基本ダメ大人(笑)そんなイメージ。 もー一緒に暮らせばいいのにな。 なんかもう・・いろいろ不安なので逃避してるんだよ(^^ゞ クロウたん大丈夫だよねぇ・・
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