■猫を好きになった(京クロ)■

現ぱろ
休日、ぐだぐだ過ごす(^−^)



今までのまとめ
>面倒くさいオトコ





テレビの音で目が覚めた。
日はすでにかなり高く上っている。
「あ、起きた」
上半身裸のまま、ベッドに寄り掛かって座ってテレビを見ていた京介が振り返って言った。
「オハヨ、クロたん。大丈夫?」
「大丈夫なわきゃねえだろが」
とりあえずべしりと頭を叩いてやる。
いてえ、と京介は喚いたが、スルーした。
身体がぎしぎしする。
たまに休みが重なると、明日休みなんだからいいじゃん!と押し切られるので嫌だ。
それでも散々言ったので、少しは手加減するようになったから、進歩として褒めるべきか。
休みが重ならないようにシフトを組むべきかとも思うが、それはそれで拗ねたり騒いだりして大変五月蠅そうだ。
面倒くさい男だ。
とにかく早く引越し先を決めなければならない。
2DKでバス・トイレ別、風呂に追い焚き機能が付いてると尚いい。
ルームシェア、というか、まあぶっちゃけ同棲なのだが、まあとにかく誰かと一緒に暮らすのなら喧嘩したりした時のために2部屋あった方がいいと不動産屋も言っていた。
いざとなったら自分の部屋に籠って鍵を掛けてしまえばいいのだ。
とりあえずシャワーでも浴びてこようと起き上がると、付いてこようとしたので、もう一発殴っておいた。

シャワーを浴びて戻ってくると、京介はまだテレビを見ていた。
見たい番組がある、というカンジではない。
ただ一人で居るのが嫌なので音を出しているだけ、といった風に見える。
寂しそうに見えるのは気のせいだろうか。
見ていると、其れに気がついたのか、此方を見てにぱっと笑った。
「あー・・・昼飯どうする?」
見ていたことを誤魔化す様にそう聞くと、京介は言った。
「クロウでいい。風呂上がり色っぽい」
阿呆なことを言うので、また殴ってやる。
寂しそう、なんて絆されてはいけない。
こういうことを素で言う奴なのだ。
いてえ、と騒ぐ京介を無視して、さて本当に昼ご飯を何にしようかと考える。
朝飯にはもう遅いし、でも腹は減ったし、朝の分、昼をがっつり食べておきたい。
肉とか。
しかし生憎冷蔵庫に買い置きの肉は無かった。
買いに出なければならない。
ふと、流れっぱなしのテレビのCMが目に入った。
弁当屋のコマーシャル。
そういえばこのチェーン店が近所に新しくオープンして、今ならチラシについていた割引券がまだ使えるはずだ。
「焼き肉弁当でいいか?久しぶりに食いたい」
テレビを指して言うと、京介は頭を押さえたまま頷いた。
「じゃ、買ってくるわ」
まだ身体は多少動きがぎこちない気もするが、まあゆっくり行けばなんてことは無いだろう。
とにかく腹減った。
「オレも!オレも行く!!」
慌てて立ち上がる京介を制してクロウは言った。
「お前来ると面倒くせえから来なくていい」
何か余計な買い物が増えたり、寄り道で倍時間がかかったりするのだ。
さっさと用意を済ませて、玄関を閉めると薄い扉の向こうで京介がまだぎゃあぎゃあと抗議しているのが聞こえた。
本当に面倒くさい男だ。

「ただいまーっと」
帰って来ると、テレビは消えていて、京介は畳の上に丸くなって転がっていた。
返事もしない。
まったく面倒くさい男だ。
連れて行かなかったものだから不貞腐れているらしい。
子供か。
背中を丸めて転がっている様は、子供というよりは機嫌の悪い猫のようだった。
耳を伏せてしまっているくせに、此方の様子はちらちら気にしてる。
クロウは弁当の入った包みをぶら下げたまま京介のところまで来て言った。
「ほら、食おうぜ。朝食ってないから腹減ったー」
しかしまだ京介は動かない。
「返事しろっての」
てい、と足の先で小突いてやる。
「・・・わん」
「ワンじゃねーよ」
「・・じゃあニャー」
「ああ、まー、ニャーのが近いか」


面倒くさくて手のかかる、でっかい猫。
厄介な猫を好きになった。



「ねえ此れなんてプレイ?」
ニャアと鳴きながら京介がまた馬鹿なことを言ったので、再びゴツンとかましてやった。






END





現ぱろ
面倒くさい男だが慣れると扱いやすいよ・・たぶん(笑)
ほっと○っと亭の弁当の宣伝が美味しそうだったので。
クロたんは牛丼とか好きそうだ。
京介は正直クロウたんの料理が食べたい(笑)

昨晩ナニがあったかなんてことは御想像にお任せします。

今日は9月6日、クロたんの日っすよ!





2009.09.06

 

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