・大人の階段、落ちる時
こういうのをまさに「大人げない」と言うんだな、と思った。
サテライトで育った筈のコイツより、自分の方がよほど井の中の蛙だ。
「どうした牛尾」
牛尾サンだろ。
お前よりずっと年上なんだかな。
サテライト育ちは年上に対する礼儀はなってない。
説教でもしてやろうかと思ってふと気付く。
そう言えば前は「おい」とか「お前」とか呼んでいた。
デュエリストとして認めないとまで言われた。
一体何時から名前で呼ばれるようになったのだろう。
***
牛遊
14.12.07
愛し君への恋心
恋したくなるお題
(配布)
・つまらない話も聞きとる耳
「公僕は辛いねえ」
あーあ、と溜息を付くと遊星に聞き咎められた。
「どうした、牛尾」
「なんでもねえよ」
遊星に愚痴っても仕方がない。
そう思ったのに、続いた遊星の言葉に吃驚した。
「そういえば、お前は大会に出ないんだな」
龍亞たちが大会に出ないのかと聞いたら「まだ内緒だ」と言っていたと言うから、もしかしたら、と思ったんだが。
サトリか。
何も言っていないのに、まさに其れについての愚痴だった。
「出たかったんだけどな」
警備やらなんやらで人手が足らないから無理だと諦めたのだ。
「そうか。オレもお前とまたデュエルしたかった」
遊星が心底残念そうに言うので、つい言ってしまった。
「…今からどうだ?」
***
牛遊
13.12.14
好きなところを10こ
white
lie
■自分だけを見てくれる瞳■
「お前は猫みたいだな」
そう言ったら少し驚いたようにパソコンから顔を上げた。
「そんなことを言われたのは初めてだ」
何処が猫みたいなんだ、と素直に疑問を口にしてくる。
「なんかじっとこっち見てる時あるしな」
猫ってそういうトコあるだろ。
「そうかもしれない」
気になるモノは観察する癖があるんだと思う。
遊星はそう言った。
「オレはお前のことが気になるのかもしれないな」
今気が付いた、みたいに言われても。
***
牛遊
遊星たんが自覚なしなのでなかなか進展しないカンジwww
13.09.14
好きなところを10こ
white
lie
■頬を包むてのひら■
「なんだ?」
此方をただじっと見つめていた遊星がようやく口を開いた。
「その傷」
「あ?」
「痛むか」
そっと手を伸ばされる。
頬の傷は遊星とデュエルした時に出来たものだ。
「痕は残っちまったが、別にもう痛かねえぞ」
「そうか」
表情の乏しい奴だが、明らかにホッとしたように笑う。
気にしていたとは思わなかった。
「むしろ感謝してるくらいだっつの」
この傷のおかげで、自分は変われたのだと思うから。
***
牛遊
13.07.13
好きなところを10こ
white
lie
■胃から落とすのが近道です■
「ご飯くれる人いい人!ってカンジだな」
「なんだそりゃ」
かなり遅い昼飯のハンバーガーを分けてやったら、クロウは遠慮なく食べてから言った。
「遊星」
「遊星?」
お前の話かと思ったぜ、と言ったらクロウは「うーんオレもそ―ゆートコあるかもなあ」と少し唸った。
「まあ基本サテライト育ちはそゆトコあんだよ」
サテライトではいつでも好きなだけ食べられる訳じゃない。
オレ達はかなり恵まれてた方だけどな、とクロウは付け足した。
「遊星は食うことにそんなに執着してないように見えるがなあ」
機械を弄っていたら夢中になって寝食を忘れるタイプだ。
だからついちゃんと食ってるか心配になってしまう。
「何だかんだ言って結局餌付けしてるみたいに見えるぞ」
ちげえよ、と返しておいたが、実際どうなんだろう。
自分で解らない。
***
牛遊
13.03.12
お題は此方から
corona