七色に咲く花火見上げて勇気をくれたチョコレートブラウン一年の願い結びあう紅梅の枝手ぶらのぼくにプレゼント強要。寝ても覚めても考えるのは。

 


 

「アニキ頑張って!」
オレの隣で翔が言う。
自分でやらないと自分の為にならないよ、なんて其れ絶対カイザーの受け売りだろ。
とは言え翔はかなり手伝ってくれた。
毎年こんな風に宿題に追われて過ぎていくオレの誕生日。
この学校に来る前からこんなだけど、今年はもう少し違う誕生日を過ごしたかった。
せっかく好きな子と過ごす誕生日なんだしさ。
「あー花火くらい見たかったなー」
夏休み最後ってことで学校行事として花火大会があるらしい。
帰省してた連中ももう戻ってきてるしな。
しょうがないなあアニキは、と言って翔は笑った。
そうしてごそごそと袋の中から花火セットを取り出す。
「ほら、宿題終わったらボクと花火やろ?」


二人で。


そんな風に照れ臭そうに笑われたら、頑張って宿題やるしかないだろ。


***
アニキ誕生日おめでとう!


七色に咲く花火見上げて

12.08.31

 


 

 

「わあアニキ結構貰ったね」
「全部『義理だから』って念押されたけどな」
いいなあと言うと、中身はチョコレートと思われる綺麗なラッピングの箱や包みを手に十代はそう返した。
「さっそく寮帰って食べようぜ」
今日がバレンタインデーであることはわかっているようだが、その様子は「お菓子ゲット!ラッキー♪」くらいなカンジだ。
アニキはちょっとそういうの鈍感だよね。
此れだけ綺麗にラッピングされたチョコたちだもの、言えなかっただけで本命の人ももしかしたら居るんじゃないかなって翔は思っている。
「それアニキが貰ったんだもの、アニキが食べてあげなきゃ駄目だよ」
「…じゃあ翔には此れやる」
そう言って十代がポケットから出したのは普通の板チョコ。
「さっき購買で買ってきた」
十代の言葉に翔は首を傾げる。

…もうこんなにチョコを貰ってるのに?

わざわざ自分の為に買ってきてくれたのだ、と気がついて翔が赤くなるまであと数秒。



***
勇気をくれたチョコレートブラウン

十→←翔で此れから進展するカンジの


12.02.16

 

 


 

 

「おっ大吉」
「わーさすがアニキ」
何が流石なのかよくわからないけれど、とりあえず翔が尊敬の眼で見てくれるから良しとする。
「こういう時も引きがいいんだねえ」
「関係あるのかそれ」
ここぞと言う時の引きの良さは異常通り越して鬼だ、と言われたこともあるが、おみくじにもそれは発揮されるものだろうか。
十代は、割とフツーの中吉を引いた翔が大変羨ましげに此方を見てるので思わず言った。
「やろうか?」
「ええっ駄目だよ!そういうのはね、神様がくれるくじなんだから、人から貰ったりしちゃいけないんだよ!」
…神様が云々の辺りがすごく気になる。
翔の場合、そういうのは絶対に兄であるカイザーこと丸藤亮から言われたことだからだ。

兄ちゃんの言葉は絶対だもんな。

ブラコンというか兄信者というか、その辺りがどうしても気になってしまう。
それが何故かなんて、まだ自分でわからない。


***
一年の願い結びあう紅梅の枝

まだ自覚なしな十→翔

12.01.27

恋するカレンダー12題 
お題
Fortune Fate

 


 

「アニキはサンタさんに何をお願いしたんすか?」
可愛らしい笑顔でそんな風に聞かれて、お前まだサンタを信じてるのかよ、なんて言えるわけがない。
きっとカイザーもそうやってきたから、翔は未だにサンタを信じているんだろう。
「んー…オレの欲しいモノはサンタクロースには用意できないかもしれないな」
サンタは万能だって思ってるらしい翔は目を丸くして言う。
「えっ何が欲しいのアニキ」


オマエ。


「サンタクロースに其れは自分で頑張ってみろって言われたんだよ」
なんて言ったらこのサンタ信者はオレにプレゼントしてくれるんだろうか。


***
手ぶらのぼくにプレゼント強要。

サンタを信じる奇跡の高校生・翔

11.12.22

 


 

 

「オレ、翔のこと好きだ」
アニキの台詞に吃驚して飛び起きたので、上のベッドに頭をぶつけそうになった。
…なんだ夢か。
いや夢じゃなかった、実際昨日アニキに言われたんだった。
アニキがいつのも調子でにこやかに言うもんだから、ボクも普通に「ボクも大好きだよ」なんて返したと言うのに、アニキはその後ちょっと困った顔になった。
手を引かれるままにアニキに抱きしめられる。
顔近いよアニキ、と言う間も無かった。
ちゅ、と音を立ててすぐ離れる。
「こういう好きなんだけど」
本当に吃驚してその後何を言ったのか全然覚えていない。
アニキが笑って返事は落ち着いてからでいいって言ってくれたことだけ覚えてる。
ばふ、と枕に顔を埋めてみる。

何が吃驚したって、キスされて嫌じゃ無かったことなんだ。


***

寝ても覚めても考えるのは。


レッド時代
ベッドでうにゃあああってなる翔
アニキは下で気が付いてる

11.10.30



 

■恋するカレンダー12題 2
お題は此方から
Fortune Fate








 

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