■「一番になりたい」(十翔)■ 十翔。お兄さんに対抗心持ってるアニキ。お兄さんがエドに負けた後。
一番になりたいんだ。
何処へ行ったのかと捜していたら、案の定海の見えるところに居た。 地べたに座り込んでじっと夜の海を見ている。 「翔」 後ろから背中に声をかけると、びくり、と肩を竦ませた。 「・・アニキ」 ゆっくり振り返った翔は明らかにいつもと違う。 元気がない。 理由はわかっている。 カイザーがデュエルで負けた。 そんなこと、ありえないと思っていた。 結局引き分けで勝てなかった相手。 一回負けているから、負け越してることになる。 いつか絶対、勝ってやるんだと思ってた。 翔もカイザーが負けるなんて思ってもみなかったんだろう。 かなりショックだったようですっかりしょげている。 「・・・お兄さん負けちゃったっス」 「元気出せよ翔。勝負なんだからどっちかが負けるさ」 大きな目に涙を溜めて俯く翔を慰めてやりたいのに、なんだか上手く言葉が出てこない。 どうしてだか、薄々わかってる。 正直、ちょっと面白くないからだ。 口を開けば、お兄さん、お兄さんって。 十翔 独占欲の強いアニキでした(^_^) お兄さんに対抗心バリバリっすよ! アニキってワリと何にでも執着無さそうだけど 翔にだけは執着してくれてると思うのです。 2005.11.06
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