■恋音を数える日々■
・恋音を数える日々
階段で躓いてバランスを崩す。
落ちる、と思って目を閉じたけど、覚悟した衝撃は襲ってこなかった。
恐る恐る目を開けると、背中を支える大きな手。
「大丈夫ザウルス?丸藤先輩」
「あ、うん。…ありがと」
「いや落ちなくて良かったドン」
大きな手。大きな体。
こんな奴に助けて貰ったなんて悔しい。
だって剣山くんはボクのアニキを勝手にアニキって呼ぶし。
けど、何時からだろう。
こんな時、ドキドキが止まらなくなったのは。
最初は大嫌いだと思って居た筈なのに。
でも此れは落ちそうになって吃驚したせいに決まってる。
何度もそうやって言い聞かせてみるけど、胸の鼓動は早くなったまま、ちっとも落ち着くそぶりを見せない。
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剣翔
14.07.27
愛し君への恋心
恋したくなるお題
(配布)
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