大人の階段、落ちる時抱き付いた時の匂い


 

 

・大人の階段、落ちる時

 


物心ついたころから、人とは違う力があった。
幼い頃はその力故に疎まれたり避けられたりしたものだが、やがて其れは生きていくための術となった。
権力者や富裕階級。
多くの大人たちが未来を垣間見るために大金を寄越す。
暮らしていく上で不自由なことなど何も無くなった。
それでも自分の未来を変えてくれるものを望んでいる。
死が恐ろしくて助けを求めてる。
けれど、自分は他人とは違うのだから、こんな力を妹以外は持っていないのだから、誰も助けてはくれないと思っていたのに。

「今度はボクがキミに傘を差してあげるよ」

エドの言葉が心に一筋の光を差す。
きっと疎まれていたあの子供の頃からそう言ってくれる人が欲しかった。




***
斎エド




 

14.02.07


愛し君への恋心
恋したくなるお題 (配布)

 

 


 

・抱き付いた時の匂い

 

「斎王」
名を呼んでそっと抱き付いてみたらくすりと笑われた。
「どうしたんだい、エド。今日は随分甘えん坊だね」
「そうかな」
斎王はボクの髪を撫でながら言う。
優しい、いい匂いがする。
「エドは何時も頑張っているから」
こうやって甘えて貰えるのは嬉しいな。
そんな風に優しい声で、そんなことを言われたら。
「じゃあまた甘えてあげるよ」
なんて捻くれた言い方をしてしまう。
「いいよ」

其れでも斎王は優しく笑うから。

どうしたらいいか解らなくて顔を上げられない。



***
斎エド

14.01.11


好きなところを10こ
white lie

 




 

>戻る