■「キミの側に居るよ」(斎エド)■ 斎エド。小さい頃の話。
まるで
冷たい雨からボクを守るかのように 傘を差しかけてくれた。 その子は雨が止むまでずっとそうしていてくれた。 「斎王」 知り合ってから頻繁にエドは斎王の家に出入りするようになった。 エドの家からも近かったし、何より他に誰も居ない家に一人で居るのが嫌だったからだ。 斎王はいつ訪ねて行っても、まるでエドが来ることがわかっていたかのように迎え入れてくれた。 優しく、物静かな少年。 エドよりも年上とはいえ、斎王は年齢よりも大人びて見える。 『破滅の運命を変えて欲しい』 そう言われたのだけれど、エドには具体的にどうしたらいのかわからなかった。 エドから見れば斎王は何でも自分で出来るオトナで、エドの手助けなど必要がないように思えた。 「やあエド、いらっしゃい」 この日も斎王はにこやかにエドを室内に迎え入れてくれた。 「今日は美寿知が頂いてきたアグネスのプリンがあるよ」 「プリン!」 エドが目を輝かせる。 その様子に、斎王は嬉しそうに笑った。 「エドはプリンが大好きだね」 「うん。美味しいもの」 斎王が持って来てくれたプリンを居間のソファに並んで食べる。 「おいしいね、斎王」 「そうだね、エド」 斎王は甘いものがそれほど好きではないようだったが、エドが食べる時にはこうやってたいてい付き合って一緒に食べてくれた。 そうして今日はお昼に何を食べたとか、来る途中でネコに会ったとか、そういった他愛もない話をして過ごす。 ほとんどエドが喋って、斎王は聞き役だったが、とても楽しそうに聞いてくれるので、エドも楽しかった。 楽しくて、時の立つのも忘れる。 「エド、申し訳ないんだが」 時計が、時刻を告げた。 その音を聞いて言いにくそうに斎王が言った。 「今日はこの後用事があるんだ」 「そうなんだ・・・お仕事?」 「ああ」 斎王が占いを生業にしていることはエドも知っていた。 よく当たると評判のようだ。 依頼が途切れたことはない。 エドとそう年も変わらないのに、すでに立派に働いているということについて、斎王はあまり多くを語りたがらないので、詳しいことはわからない。 だけど。 「斎王は占いがキライなの?」 「・・・エド?」 エドの問が意外だったようで、斎王は訊ね返してきた。 「時々、悲しそうな顔をするよね」 この先に何が起こるかが見えているのに、悪い未来でもそれを変える術を持たないというのはどんな気持ちなのだろう。 エドにはわからない。
斎エド 来週(101話)エドと斎王さまが相合傘する前に!と慌てて書いてみました(笑) しかしフツー突然現れて運命だの破滅だの言われたら引くよね(^^ゞ でもエドは引かないで小さいなりに自分に何が出来るのか考えてたと思うのです。 斎王さまはその能力ゆえに迫害されたり疎まれたりされてたみたいだから そんなこと気にせず側にいてくれるエドの存在は それだけで救いだったんじゃないのかなあとか思ったり。 まあエドの方は多分一目惚れだけどね!(笑) 斎王さま美人だしな!! (いい加減黙れ的なコメントを垂れ流す私・笑) 斎王さまと美寿知は親からも疎まれて二人暮らし 占いで生計立ててますという脳内設定。 アグネスのプリンはドラマに出てきてて 美味しそうだったので名前だけ借りてみました(^_^)
|