■十二ヶ月を巡るお題■
4年に一度(伽→表)
とぎお誕生日オメデト!
4年に一度(伽→表)
とぎお誕生日オメデト!
「お誕生日おめでとう、御伽くん!」
獏良の家へ行くと、パーン!という大きな音と祝いの言葉が降ってきた。
玄関先でクラッカーの紙を被って、御伽はホンの少しの間フリーズする。
そういえば、自分の誕生日だった。
「あ・・ありがとう」
ようやく出てきた礼の言葉に遊戯達は破顔した。
「さ、あがってあがって〜」
家主の促しに、遠慮せずに上がらせてもらう。
TRPGのシナリオを書くのが好きだという獏良が、今度一緒にやらないか、と遊戯と一緒に誘ってきたのが1週間前。
熱心な誘いに、ゲーム自体にも興味もあって、混ぜて貰うことにしたのだが、自分の誕生日パーティを企画していてくれたなどと考えもしなかった。
「驚いた?御伽くん」
遊戯が悪戯が成功した時のような顔でえへへと笑う。
「うん、吃驚したよ。・・でも嬉しいよ、ありがとう」
正直な気持ちだ。
酷い事を、したのに。
遊戯の大切な宝を砕いたりしたのに。
火事は故意ではなかったにせよ、下手をしたら死ぬかもしれないような目にさえ合わせてしまったというのに。
それでも遊戯が自分の答えに笑ってくれるのが、嬉しい。
心がほんわりと温かくなる気がする。
獏良の手作りだというケーキを囲んで、お喋りが広がる。
「それにしても29日生まれじゃなくてよかったなぁ、御伽」
ケーキを頬張りながら城之内が言った。
「ああ、閏年な」
「4年に一辺しか誕生日プレゼント貰えないんだぜ」
「其処かよ」
本田が慣れたタイミングで突っ込みを入れる。
さすが付き合いが長いだけはあるな、と妙に感心した。
「でもさ」
のんびりと自作ケーキを口に運びながら獏良が言う。
「年取ってからは結構いいんじゃないかなぁ、閏年生まれって」
「何でだよ?」
「4年に一回しか年をとらないから72歳になっても『18歳で〜す♪』とか言い張れるじゃない?」
お洒落で粋な自称18歳を思い浮かべる。
初対面の人に18です、と自己紹介すれば、相手は吃驚するだろう。
其処で閏年29日生まれと種明かしするのだ。
第一印象はかなり強く残るはずだ。
いいかもしれない。
「面白いね、それ」
「うん、笑いは取れると思うんだ」
獏良はケーキを咀嚼しながら言った。
「でもやっぱり本当の誕生日が4年に一辺なんてちょっと寂しいよねぇ」
「そうだね」
遊戯がそれに同意する。
「やっぱり大事な友達の誕生日は、毎年祝いたいしね」
「そうだね、生まれてきてくれてありがとうって日だものね」
獏良はそう言って頷いた。
城之内も本田もそれぞれ頷く。
勝負とは相手の盲点を突いて
勝利を得るものだと教えられた。
そして自分もその通りだと思っていた。
だけど
それだけではないのだと
此処で知った。
「やっぱ御伽お前、28日生まれでよかったな!」
城之内がそう言って背中を叩く。
「ありがとう、皆」
御伽はそう言って頭を下げた。
驚くほど素直に言葉が出てくるのがなんだか不思議だった。
END
とぎ、お誕生日おめでとう!
この後は月(ですの)と誕生日同じに因んで
死神の出てくる獏良クン作TRPGで遊びます。
城之内くんが超嫌がります(笑)
獏良の家へ行くと、パーン!という大きな音と祝いの言葉が降ってきた。
玄関先でクラッカーの紙を被って、御伽はホンの少しの間フリーズする。
そういえば、自分の誕生日だった。
「あ・・ありがとう」
ようやく出てきた礼の言葉に遊戯達は破顔した。
「さ、あがってあがって〜」
家主の促しに、遠慮せずに上がらせてもらう。
TRPGのシナリオを書くのが好きだという獏良が、今度一緒にやらないか、と遊戯と一緒に誘ってきたのが1週間前。
熱心な誘いに、ゲーム自体にも興味もあって、混ぜて貰うことにしたのだが、自分の誕生日パーティを企画していてくれたなどと考えもしなかった。
「驚いた?御伽くん」
遊戯が悪戯が成功した時のような顔でえへへと笑う。
「うん、吃驚したよ。・・でも嬉しいよ、ありがとう」
正直な気持ちだ。
酷い事を、したのに。
遊戯の大切な宝を砕いたりしたのに。
火事は故意ではなかったにせよ、下手をしたら死ぬかもしれないような目にさえ合わせてしまったというのに。
それでも遊戯が自分の答えに笑ってくれるのが、嬉しい。
心がほんわりと温かくなる気がする。
獏良の手作りだというケーキを囲んで、お喋りが広がる。
「それにしても29日生まれじゃなくてよかったなぁ、御伽」
ケーキを頬張りながら城之内が言った。
「ああ、閏年な」
「4年に一辺しか誕生日プレゼント貰えないんだぜ」
「其処かよ」
本田が慣れたタイミングで突っ込みを入れる。
さすが付き合いが長いだけはあるな、と妙に感心した。
「でもさ」
のんびりと自作ケーキを口に運びながら獏良が言う。
「年取ってからは結構いいんじゃないかなぁ、閏年生まれって」
「何でだよ?」
「4年に一回しか年をとらないから72歳になっても『18歳で〜す♪』とか言い張れるじゃない?」
お洒落で粋な自称18歳を思い浮かべる。
初対面の人に18です、と自己紹介すれば、相手は吃驚するだろう。
其処で閏年29日生まれと種明かしするのだ。
第一印象はかなり強く残るはずだ。
いいかもしれない。
「面白いね、それ」
「うん、笑いは取れると思うんだ」
獏良はケーキを咀嚼しながら言った。
「でもやっぱり本当の誕生日が4年に一辺なんてちょっと寂しいよねぇ」
「そうだね」
遊戯がそれに同意する。
「やっぱり大事な友達の誕生日は、毎年祝いたいしね」
「そうだね、生まれてきてくれてありがとうって日だものね」
獏良はそう言って頷いた。
城之内も本田もそれぞれ頷く。
勝負とは相手の盲点を突いて
勝利を得るものだと教えられた。
そして自分もその通りだと思っていた。
だけど
それだけではないのだと
此処で知った。
「やっぱ御伽お前、28日生まれでよかったな!」
城之内がそう言って背中を叩く。
「ありがとう、皆」
御伽はそう言って頭を下げた。
驚くほど素直に言葉が出てくるのがなんだか不思議だった。
END
とぎ、お誕生日おめでとう!
この後は月(ですの)と誕生日同じに因んで
死神の出てくる獏良クン作TRPGで遊びます。
城之内くんが超嫌がります(笑)
2009.02.28
■十二ヶ月を巡るお題■
宿花(閉鎖されました)