■新学期の罠(城表+獏)■

■十二ヶ月を巡るお題■

新学期の罠(城表+獏)

 












「ごめんね、獏良くん」
遊戯たちいつもの面々は獏良の家に集まっていた。
夏休み最終日、お勉強会と称して実質獏良の出来ている夏休みの宿題を丸写ししている。
宿題など自分でやらなければいけないのに、本当に申し訳ない。
「別に気にしなくていいよ」
にこり、と綺麗な笑顔で獏良は言った。
「でもわからないところを教えてくれるって言ったのに・・・・」
ほぼ全部わからないのだから写すことになるのも仕方ないといえば仕方ないのかもしれないが、申し訳ない気持ちで遊戯は頭を垂れた。
「気にしなくていいのに」
「でも」
獏良は重ねて言ってくれたが、遊戯の気は晴れない。
「じゃあお礼代わりにボクに一日付き合ってくれるってのはどう?」
獏良はいい事を思いついた!というカンジで手を打つと言った。
「え?」
「デートだよ」
楽しそうな獏良に城之内が口を挟んでくる。
「おい獏良−抜け駆けは許さないからなー」
冗談めかした口調ではあるが目がわりとマジだ。
「ええーいいじゃないかーボクもうすぐ誕生日だし。誕生日プレゼント代わりだよ」
「9月入ったらすぐだったよね」
遊戯がそう言うと獏良は嬉しそうに笑った。
「覚えててくれたんだ」
「お前の誕生日は皆で祝おうってハナシがもう決まってるんだよ」
城之内が計画を種明かしする。
「そうなんだ」
獏良は続けた。
「じゃあ城之内くんたちも一緒にボクとデートして」
「はあ?」
集団デートのお誘いに思いっきり怪訝な顔をする城之内たちに獏良は笑顔で告げる。
「皆でボクに付き合ってよ。ボクと遊戯くんが二人っきりで出掛けたら面白くないんでしょ?宿題見せてあげてるんだしさ」
「まあ・・いいけど」
城之内たちは顔を見合わせて了承した。
宿題のことを出されたら、否を唱えられない。
「じゃあキマリ!男に二言は無いね?城之内くん」
獏良は強引に話をまとめることに成功した。
城之内だけに特に念を押すのが気になる。
遊戯は恐る恐る聞いてみた。
 

「獏良くん、ボクたち何処へ付き合えばいいの?」


「オバケ屋敷」


獏良はさらり、と答えた。
城之内ががた、と音を立てて立ち上がる。
立ち上がったはいいが、そのまま硬直してしまった状態だ。
「ホンモノが出るって噂の所とか、巡ってみたいんだよね!でも一人じゃつまらないしさ」
固まったまま動けない城之内に獏良はにこ、と笑いかけた。
本当に綺麗な笑顔で。


「男に二言は無いよね?城之内くん」


宿題の借りは高くつきそうだった。
城之内にとっては。

 

 


END






獏+表のつもりが獏+城之内くんに・・・(^^ゞ
一応城→表前提ですが。
仲良しだからこそ出来る悪ふざけってカンジで。
でも城之内くんも意地になって行くんだろうなぁ(笑)

っていうか獏良くんの誕生日ネタならもっと早くUPしろよという・・・(^^ゞ


 

2007.09.24



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宿花(閉鎖されました)

 

 

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