■十二ヶ月を巡るお題■
こんな出会いって有りですか(城表)
こんな出会いって有りですか(城表)
「桜が綺麗だねぇ」
木の下で遊戯が嬉しそうに言う。
「そうだな」
薄いピンク色の花を見上げて城之内は相槌を打った。
「なんか城之内くんと初めて会ったときのこと思い出しちゃうなぁ」
「そうだな」
再び城之内は頷いた。
あの日もこんな風に桜が満開だった。
入学式の日、面倒くさくてサボろうかとウロウロしていた城之内は、校内で迷っていた遊戯に会ったのだった。
「桜の下で、城之内くんの髪がキラキラしてて、とっても綺麗で」
「外国の人かと思った」
「なんだそりゃ!」
素で言われた言葉に城之内は思わず突っ込んだ。
「だって背も高いしさー」
「いやいやフツーは思わないだろ」
手を振って否定してやると遊戯はむうと口を尖らせた。
普通は、キレイだなんて思わない。
金髪で目つきの悪いヤツが立っていたら普通は不良だと思うだろう。
素行の悪い、係わり合いになりたくない人種だと。
実際、中学までの城之内はロクでもない奴とつるんだこともあった。
喧嘩はそこそこ強かったけれど、今よりもっと、駄目な奴だった。
そんな自分のことが好きではなかった。
「城之内くんはボクを見て第一印象どうたったのさ?」
「んー・・小さい?」
正直にそう言うと遊戯はぷうと頬を膨らませた。
「酷―い!!そりゃ確かにボクは小さいけどさ!」
「悪い悪い」
桜の影からひょっこり出てきた遊戯は、違う世界のイキモノのように見えた。
自分とは縁のない世界の、幸せなイキモノ。
だけど自分より、ずっと強かった。
こんなに小さくて、力も弱いのに、心が強い。
何度もその強さに助けられた。
『見えるけど、見えないもの』を確かに貰った。
「全然悪そうに見えないよ城之内くん」
「そんなことないって」
まだ不満そうな遊戯を、城之内はぎゅっと抱きしめた。
それは違う世界のイキモノではなく、確かに温かい、大切な城之内の『見えるけど、見えないもの』
END
何か久々に城表。
カップリングじゃなくても城之内くんと遊戯ちゃんの仲良しぶりは大好きですw
城之内くんは遊戯ちゃんと会って
力だけが強さではないってわかったんだと思うの。
運命の人なの。
木の下で遊戯が嬉しそうに言う。
「そうだな」
薄いピンク色の花を見上げて城之内は相槌を打った。
「なんか城之内くんと初めて会ったときのこと思い出しちゃうなぁ」
「そうだな」
再び城之内は頷いた。
あの日もこんな風に桜が満開だった。
入学式の日、面倒くさくてサボろうかとウロウロしていた城之内は、校内で迷っていた遊戯に会ったのだった。
「桜の下で、城之内くんの髪がキラキラしてて、とっても綺麗で」
「外国の人かと思った」
「なんだそりゃ!」
素で言われた言葉に城之内は思わず突っ込んだ。
「だって背も高いしさー」
「いやいやフツーは思わないだろ」
手を振って否定してやると遊戯はむうと口を尖らせた。
普通は、キレイだなんて思わない。
金髪で目つきの悪いヤツが立っていたら普通は不良だと思うだろう。
素行の悪い、係わり合いになりたくない人種だと。
実際、中学までの城之内はロクでもない奴とつるんだこともあった。
喧嘩はそこそこ強かったけれど、今よりもっと、駄目な奴だった。
そんな自分のことが好きではなかった。
「城之内くんはボクを見て第一印象どうたったのさ?」
「んー・・小さい?」
正直にそう言うと遊戯はぷうと頬を膨らませた。
「酷―い!!そりゃ確かにボクは小さいけどさ!」
「悪い悪い」
桜の影からひょっこり出てきた遊戯は、違う世界のイキモノのように見えた。
自分とは縁のない世界の、幸せなイキモノ。
だけど自分より、ずっと強かった。
こんなに小さくて、力も弱いのに、心が強い。
何度もその強さに助けられた。
『見えるけど、見えないもの』を確かに貰った。
「全然悪そうに見えないよ城之内くん」
「そんなことないって」
まだ不満そうな遊戯を、城之内はぎゅっと抱きしめた。
それは違う世界のイキモノではなく、確かに温かい、大切な城之内の『見えるけど、見えないもの』
END
何か久々に城表。
カップリングじゃなくても城之内くんと遊戯ちゃんの仲良しぶりは大好きですw
城之内くんは遊戯ちゃんと会って
力だけが強さではないってわかったんだと思うの。
運命の人なの。
2008.04.20
■十二ヶ月を巡るお題■
宿花(閉鎖されました)