てんむさんの100001HITリクエスト
「学ラン社長と遊戯ちゃん」です。
学校には奇妙な生物がいる、と海馬瀬人は思っている。
海馬にはどうしても理解することが出来ない小動物だ。
ソレは海馬が登校するといち早くその姿を見つけてとことこと寄ってくる。
そうして海馬を見上げてにっこり笑ってこう言うのだ。
「おはよう、海馬くん」
その生物の名は武藤遊戯という。
出会いからしてあまりいいものではなかった。
なかったはずだ。
そもそも武藤遊戯に好かれるようなことを海馬は何もしていない。
それはつまり嫌われる、よく思われないことならばしたということだ。
海馬の方はその当時自分がしたことに対しての罪悪感などなかったが。
だが今思い返すと確かに酷いことしかしていない。
あんな風に笑って挨拶をされるような立場にいるとは思えない。
それでも武藤遊戯はにこりと笑って挨拶をする。
「おはよう、海馬くん」
それが何故だかわからない。
理解出来ない。
だから海馬は最初のうちは武藤遊戯の挨拶を無いものとした。
つまり無視を決め込んだ。
それでも教室の扉を開ければ小動物が寄ってくる。
そしてにっこり笑うのだ。
「おはよう、海馬くん」
やっぱり謎の生き物だ。
ある時海馬が登校すると教室に誰も居なかった。
その他のクラスメートや武藤遊戯の「仲間」は居たが。
海馬にとって其処には誰も居ないも同然だった。
誰も居ないと、そう感じた。
武藤遊戯は風邪をひき、その日は学校を休んでいた。
「おはよう、海馬くん」
いつの間にかあの声を待っていたのだと気がついた。
学校には不可解な生物がいる、と海馬瀬人は思っている。
だがその声が聞きたくて海馬瀬人は学校へ向かうのだ。
忙しい合間を縫って。
それがいったい何故なのか自分でも未だ答えは出ていない。
不可解のなのは自分の方かもしれない。
END
てんむさんの100001HITリクエスト
「学ラン社長と遊戯ちゃん」です。
懐いてくる小動物をどう扱ったらいいのかわからない社長(笑)
そのうち気になって仕方なくなってきてしまうの・・
って思いっきり少女漫画ですいません(^^ゞ
リクエストありがとうございましたVv
2004.05.30