■十二ヶ月を巡るお題■
今くらい羽目を外したって良いじゃない (海表)
「もう海馬くんってばこんなところにまで来て仕事しないでよ!」
浜辺で波と戯れていた遊戯が海馬のところへやってきて言った。
海馬は叩いていたノートパソコンから顔を上げる。
ついさっきまでモクバと一緒に遊んでいたはずだが、気をきかしたつもりなのかいつの間にか弟の姿は見えない。
二人で遊んでいるようなので、海馬は浜辺に立てられた東屋で仕事を片付けていたのだが、遊戯には其れが少し面白くなかったようだ。
「人のこと拉致って連れてきたくせに、自分は仕事してるなんて酷くない?」
拉致とは人聞きが悪い。
これから海馬家所有のプライベートビーチへ行くから、お前も来いと言って有無を言わさず連れ出しただけだ。
まあ拉致とほぼ同じだが。
「いつまでも仕事してると、そのパソコンを海に放り込んじゃうからね!」
いつもはこんな風に海馬の仕事に対して文句を言ったりはしないのに、珍しいことだ。
夏だから多少開放的になっているということだろうか。
「・・・やめろ」
パソコンを持ち上げようとする遊戯の手を遮る。
拍子に、指先が触れた。
熱い。
見れば顔もかなり赤い。
「おい、遊戯。大丈夫か」
「大丈夫だよ」
大丈夫、というものの息は荒い。
ずっと日の当たる浜辺に居たために熱中症になりかかっているのではないか。
「磯野、何か飲み物を」
控えていた磯野が短く返事をして一旦下がる。
磯野が居なくなると、遊戯はふにゃあと海馬にしがみ付いた。
やはり具合は良くなかったようだ。
「海馬くんが悪いんじゃないか」
海馬の腕の中で遊戯がぼそぼそ言う。
「ボク、海馬くんが来るの待ってたのに」
海馬が
浜辺に出てくるのを
待っていた。
一緒に遊びたくて。
「・・・悪かった」
きゅう、としがみ付く腕の力に、海馬はそう謝った。
開いている片手でノートパソコンを閉じる・
「うん」
海馬は嬉しそうに笑う遊戯を引き寄せて、その額にキスを落としてやった。
今くらい羽目を外したって良いじゃない (海表)
「もう海馬くんってばこんなところにまで来て仕事しないでよ!」
浜辺で波と戯れていた遊戯が海馬のところへやってきて言った。
海馬は叩いていたノートパソコンから顔を上げる。
ついさっきまでモクバと一緒に遊んでいたはずだが、気をきかしたつもりなのかいつの間にか弟の姿は見えない。
二人で遊んでいるようなので、海馬は浜辺に立てられた東屋で仕事を片付けていたのだが、遊戯には其れが少し面白くなかったようだ。
「人のこと拉致って連れてきたくせに、自分は仕事してるなんて酷くない?」
拉致とは人聞きが悪い。
これから海馬家所有のプライベートビーチへ行くから、お前も来いと言って有無を言わさず連れ出しただけだ。
まあ拉致とほぼ同じだが。
「いつまでも仕事してると、そのパソコンを海に放り込んじゃうからね!」
いつもはこんな風に海馬の仕事に対して文句を言ったりはしないのに、珍しいことだ。
夏だから多少開放的になっているということだろうか。
「・・・やめろ」
パソコンを持ち上げようとする遊戯の手を遮る。
拍子に、指先が触れた。
熱い。
見れば顔もかなり赤い。
「おい、遊戯。大丈夫か」
「大丈夫だよ」
大丈夫、というものの息は荒い。
ずっと日の当たる浜辺に居たために熱中症になりかかっているのではないか。
「磯野、何か飲み物を」
控えていた磯野が短く返事をして一旦下がる。
磯野が居なくなると、遊戯はふにゃあと海馬にしがみ付いた。
やはり具合は良くなかったようだ。
「海馬くんが悪いんじゃないか」
海馬の腕の中で遊戯がぼそぼそ言う。
「ボク、海馬くんが来るの待ってたのに」
海馬が
浜辺に出てくるのを
待っていた。
一緒に遊びたくて。
「・・・悪かった」
きゅう、としがみ付く腕の力に、海馬はそう謝った。
開いている片手でノートパソコンを閉じる・
「うん」
海馬は嬉しそうに笑う遊戯を引き寄せて、その額にキスを落としてやった。
END
いつもは社長のお仕事邪魔したりしない遊戯ちゃんだけど
たまにはいいじゃないですか!ってことで(^_^)
拉致ってきたんだから責任とって一緒に遊んでください。
何処かへ出かけるときはフツーに拉致監禁な社長(笑)
お題は此方から
■十二ヶ月を巡るお題■
宿花(閉鎖されました)
2007.08.25