■レベッカ来襲■

 

海馬家シリーズ
レベッカが遊戯ちゃんとデートしたくてやってきました(^_^)チビちゃんは3,4歳くらい



海馬家とは

遊戯ちゃんと社長が夫婦で(にょたではないです)
長男は闇様で次男が乃亜王子というパラレルシリーズです。
基本は海表。
詳しくは此処から




武藤遊戯は高校を卒業すると思い切り良く海馬家へ嫁に行きました。
嫁、という表現は世間一般的には正しくないかもしれません。
武藤遊戯という人物は、小柄で細く大きな瞳が印象的な可愛らしい容姿を持ってはいましたがまぎれもなく「男の子」でしたから。
ですが海馬瀬人と武藤遊戯は「恋人同士」でありましたので海馬邸で一緒に暮らしだしたということは結婚したも同然ということでしょう。
男同士ではありましたが。
そうして二人の間に待望の第一子が生まれました。
何度も繰り返しますが二人とも男です。
普通に考えれば子供が出来るわけなどありません。
でもこの場合そんなことは些細なことなのです。
気にしてはいけません。
ここで問題なのはその生まれた男の子が遊戯が<もうひとりのボク>と呼んでいた古代エジプトの王様『アテム』の生まれ変わりだった、ということでした。

 

 

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「おはよう、ダーリン!」
大きな音と共にドアが開けられ、高い声が叫ぶ。
特大のハートマークを語尾に三つばかりくっつけて、家族で寛ぐリビングに乱入してきた人物はかなりなハイテンションだった。
「レベッカ!」
遊戯は飲んでいた紅茶のカップを置いて嬉しそうに立ち上がる。
レベッカ・ホプキンス。
彼女は遊戯の祖父、双六の親友ホプキンス教授のお孫さんで、この年で大学に席を置く言わば天才だ。
そのレベッカとの関係はアニメ第41話 「アメリカからきた少女」 第42話 「必殺のシャドーグール」や第145話 「新たなる闇の鼓動」から始まるドーマ編などを見てくださると話が早い。
とにかくレベッカは遊戯がとてもとてもとても好きでたまにこうやって会いに来るのだった。

 



瀬人と結婚した今でも。

 



「久しぶり、レベッカ」
「久しぶり、ダーリン。元気だった?」
自分の名を呼んでにっこりと笑った遊戯にレベッカのテンションはさらにヒートアップする。
そしてその勢いのまま抱きつこうとした。
が、それはその間に壁が立ちふさがったことで阻まれる。
「何をしに来た、小娘が!!」
遊戯を背に庇い、レベッカを怒鳴りつけたのは当然この屋敷の主人である海馬瀬人であった。
もちろん遊戯の「愛する旦那様」(瀬人談)でもある。
瀬人は遊戯をとてもとてもとても愛していたのでその愛する遊戯に他の人間が触るのも嫌なのだった。
遊戯を『ダーリン』などと呼ぶのも気に入らない。
「誰が小娘よ!相変わらずレディに対する態度がなってないわね、海馬社長!!」
瀬人が自分と遊戯との楽しいひと時を当然邪魔してくるのは予想の範囲内であったのでレベッカも負けじと怒鳴り返す。
「誰がレディだ!生意気な小娘が!!」
「ちょっと二人とも喧嘩しないでよ」
そこへ瀬人のシャツの裾を引っ張って遊戯が仲裁に入った。
遊戯にそう言われては瀬人も引くしかない。
瀬人が不満げにではあるが黙ったのを見て遊戯はレベッカに向き直る。
「今日はどうしたの、レベッカ」
「どうしたの、なんて酷いわダーリン」
レベッカは言った。
「ダーリンに会いに来たに決まってるじゃない」
夫も子も居る人の家にいきなり飛び込んできて「会いに来ただけ」とか言うのもちょっと世間一般的にどうかとも思うが、遊戯はもっと非常識な人と毎日顔をつき合わせているのでその辺は別に気にしなかった。
わざわざ会いに来てくれるなんて嬉しいなぁとか思う。
しかし瀬人の方から見れば久しぶりの休みを邪魔しに来た乱入者に他ならない。
せっかく遊戯と水入らずで過ごそうと思ったのに。
此処で息子のことはナチュラルに思考から外しているあたりが実に瀬人らしい。
「帰れ!」
「そう言うと思ったわ、海馬社長」
レベッカは口の端を上げて笑うと持っていた鞄を探って中からCD−ROMを取り出した。
「何だそれは」
「私の作ったセキュリティプログラムよ!!」
片手でメガネをくぃっと直して声高らかに言い放つ。
「コレをあげるからダーリンと一日デートさせて」
「いらんわ!そんなもの!!」
交換条件を瀬人は一蹴した。
本当ならば誰にも見せずに仕舞っておきたいくらいの愛妻をデートに貸し出すなんて冗談ではない。
「もらっとけよ、かいば」
その時遊戯の陰から声がした。
<遊戯>だ。
実は<遊戯>はちょっとレベッカが苦手なのであった。
ついつい隠れてしまう。
その辺の訳は第158話 「遊戯の中の闇 ティマイオス消滅」第159話 「引きさかれた魂」見ていただければ。
自業自得ではあるのだが。
とにかく<遊戯>は遊戯の足の後ろから顔を覗かせて口を挟んだ。




「かいばコーポレーションのセキュリティ、ザルなんだからさ」





「誰がザルだ!!!」
「ザルじゃない、実際」
叫んだ瀬人にさらにレベッカが追い討ちをかける。
「ドーマとか、ジークとか、何回侵入されたら気が済むのよ」
「やかましい!」
「まあまあ」
再び遊戯が止めに入る。
「それよりレベッカ、お茶でもどう?ボク紅茶入れるの結構上手いんだよ」
「ありがとう、ダーリン。いただくわ」
「待て遊戯!そんなヤツに茶など出さんでいい!!」
ソファに腰を落ち着けたレベッカに瀬人がキィっと叫んだ。
しかそれは遊戯に軽く流される。



「海馬くんもおかわりどう?」



にっこり笑ってカップを差し出されれば瀬人は受け取るしかなかった。



 

 

 

***************

 

 


結局今日のお休みはレベッカを交えてみんなでお出かけということになるようです。
瀬人の意向はともかく。
そしてレベッカのプログラムは採用されるのでした。
 



海馬家は今日も平和です。





END






基本は海表ですが
とにかく闇様を普通の子供として愛して育てていけたらな、と思っています。
レベッカ大好きです。
そしてもう一人、私が愛してやまないアニメオリジナルキャラもそのうちに出せたらいいな、と。

2004.04.19

 

 

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