■クラッシャーメイド遊戯・予告編(闇表・海表)■

クラッシャーメイド遊戯
遊戯ちゃんと闇様が社長のうちでメイドのバイト。
女装ですので注意。










「先日退職したメイドの代わりに新人を2人入れたのですが」
自宅でパソコンに向かい仕事をこなしていた海馬瀬人はチーフメイドの報告に顔を上げました。
「2人?やめたのは1人だろう」
「はい。それが・・・」
瀬人が幼い頃からこの家で働いているメイド頭は言いにくそうに言葉を濁します。
「なんだ」
「日本メイド協会の石津、という方のご推薦で」
がたん。
『イシズ』と聞いて瀬人は思わずイスから落ちそうになりました。
そもそもメイドにそんな協会があるなんて初耳です。
瀬人の動揺に気が付かないかのようにチーフメイドは続けました。
「メイドとしては半人前ですが容姿は合格ラインですので瀬人様のお気に召すでしょう、と・・・」
「容姿で仕事をするわけではないだろう」
瀬人は片眉をつり上げました。
そりゃあ見た目がいいほうがいいのかもしれませんが要は仕事が出来るか出来ないかです。
仕事の出来ないヤツなど雇うつもりは毛頭ありません。
瀬人自身はかなり仕事が出来るタイプです。
そのため他人にもそれを要求してしまうのでした。
それでも協会のオススメなら無能というわけでもないのでしょう。
なんだか怪しい協会でしたが瀬人は忙しいのです。
今日もこれから会社の方に行かなくてはなりません。
瀬人はパソコンの電源を落としてフロッピーを引き出しました。
この話はとりあえずおしまいです。
「・・・まあ教育の方は任せる」
がしゃーん!
瀬人がそう言ったとき、ものすごい音がしました。
ついで聞き覚えのある声が聞こえてきます。
「ご、ごめんなさいっ!!!」
思わず瀬人は立ち上がりました。
「なんだ?」
「申し訳ありません瀬人様。新人がなにか粗相をしでかしたようです。よく言って聞かせますので・・・」
平頭するメイド頭を後に瀬人は音のした方へ向かいました。
隣の部屋です。
ドアを開けるとこなごなになったツボが目に入りました。
それと新人メイドらしい人物がその前に座り込んでいるのも。
先ほどのすごい音の正体はこれだったようです。
ツボ自体は高価なものでしたが先代の集めたものでしたので瀬人は興味がありませんでした。
そんなもの売ってしまってカードに替えたほうがましというものです。
瀬人はレアカードが大好きでした。
ともかくそんなツボなどどうなってもよかったのですが問題はメイドの方でした。
海馬家から支給される揃いのメイド服に包まれた体は小さく華奢です。
そしてその頭は確かに見たことのある髪形なのです。
多分、こんな髪型をしている人物は日本に3人とはいないでしょう。
それはわかっています。
わかっているにも関わらず、しかし瀬人の脳はその髪型を見たことを拒否しました。


オレは非ィ科学的なことなど信じん!


科学的なことなのかどうかはともかく瀬人はありえないはずの現実を否定するのに必死でした。
瀬人の努力を知ってか知らずかメイドが顔を上げました。
「海馬くん、ごめんなさい!!」
「・・・・何をやってるんだ貴様っ!!!」
思わず瀬人は怒鳴りました。
「ボク、お掃除しようとして・・・」
「違うっ」
メイドの言い訳を瀬人は遮りました。
ツボを割ったいきさつなど聞きたいわけではありません。
瀬人が聞きたいのは同級生である武藤遊戯が何故メイドの服を着ているのか、ということです。
武藤遊戯は小柄ではありますが男の子です。

いくらメイドの格好が似合っているとは言っても。



廊下からまたすごい音がしました。
今度の音は廊下を走っている音です。
ばん!!
そして轟音と共にドアが開かれました。
「どうした、相棒っ!!」
開けるなり叫んだ人物の顔を見て瀬人はまたしても声を大きくする羽目になりました。
「なんなんだ、貴様らっ!」
もうお判りでしょうが飛び込んできたのは『もう1人の遊戯』でした。
こちらもメイド服着用です。
瀬人はあまりのことに頭痛を覚えました。

なんと言うことでしょう。

問題はもう1人の遊戯が実体を持ってここに存在している、とか遊戯とお揃いのメイド服を着ている、とかそういうことではありません。
非常識がジェラルミンケースを持って高笑いしながら闊歩しているとまで言われた瀬人がこの場で一番常識ある発言をしているということが大問題なのです。
こんなことがあっていいのでしょうか。
いえ、いいはずがありません。
これは何かよくないことの前触れに違いなのです。
天変地異が起こる予感がしました。












最初はコレだけの一発ギャグのつもりでした・・(笑)

 

2003.01.26

 

 

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