小姑様シリーズ・城×表・海×表
海馬様は遊戯ちゃんに会いにガッコ来てるのかも。
小姑闇様シリーズとは
遊戯ちゃんを溺愛してる闇様が
大事な相棒を守るため邪な心を持って近づいてくる輩を撃退する話(ちょっとウソ・笑)です。
遊戯ちゃん逆ハーレム状態。でも無自覚。
海馬様は遊戯ちゃんに会いにガッコ来てるのかも。
小姑闇様シリーズとは
遊戯ちゃんを溺愛してる闇様が
大事な相棒を守るため邪な心を持って近づいてくる輩を撃退する話(ちょっとウソ・笑)です。
遊戯ちゃん逆ハーレム状態。でも無自覚。
「遊戯?」
屋上へ続くドアを開けると、フェンスに寄りかかって目当ての人物は気持ちよさそうに寝ていた。
確かに今日はいい天気だし、風も気持ちいい。
昼寝をするには最適だ。
購買で買ってきたらしいパンと牛乳がわきにまとめて置いてあった。
オレの頼んだヤキソバパンとコロッケパンも。
オレのこと待ってるうちに眠くなっちまったらしい。
先に食っちまっていいって言ったのにな。
待っててくれるところが遊戯らしい。
そのらしさがすごい嬉しかったり。
オレは野暮用で担任を探していたんだがどうも捕まらず遊戯の待つ屋上に上がってきちまったわけだ。
人のこと呼び出しといてどこ行っちまったんだか。
遊戯とすごす貴重な昼休みなのに。
「おい、遊戯」
軽く揺すってみる。
「ん〜・・・」
遊戯は目を覚まさない。
薄く開かれた唇にオレの目は釘付けになった。
そっと前髪をかきあげてその見た目よりも柔らかい感触を楽しみながらもっと柔らかいだろうソコに自分の顔を近づける。
マズイ。
マジでやばい感じ。
待て!オレ!!ダメだってのに。
相手が寝てるってのにそれはフェアじゃないだろ。
頭の中で思いっきりダメだししてるにも関わらずオレはどんどん遊戯に近づいて行ってしまう。
吐息が触れるほど、近く。
「遊戯・・・・」
オレの呟いた言葉は震えていたかもしれない。
我ながらちょっと情けないが。
しかし。
目的のモノに接触する直前、オレは左後頭部に猛烈な衝撃を喰らって右に倒れた。
なんだなんだなんだ!
ものすごい音したぞ、ぐあん!って!!
がん、どころじゃなかった。
だがそこはソレ、ケンカ馴れしてるというかなんというかすばやく立ち直って臨戦体制に入る。
振り返るとそこにいたのは。
「海馬ぁ!!何しやがるてめぇ!!」
この野郎、回し蹴り喰らわしただろう?!
てめぇのことは大嫌いだがいきなり蹴り入れられるほどのことはしてねぇぞ、オレは。
てめぇにはいろいろされたがな。
遊戯は忘れてもオレは絶対許さねぇ。
「フン」
胸倉掴んで詰め寄るオレを海馬はハナであしらった。
その人を馬鹿にした笑い方も嫌なんだよ、オレは!
「何したか、だと?そういう貴様は何をしようとしていたんだ?」
「な・・・」
オレは言葉に詰まった。
・・・コイツも遊戯狙いだし。
あれだけあからさまなんだ、誰だってわかる。
わかってないのは遊戯本人くらいだろう。
寝てる遊戯にキスしようとしてたなんて口が裂けても言えない。
言えるわけない。
寝てる隙に、なんてそんな卑怯なことしようとしてたことを遊戯にバラされた日にゃ・・・。
思わず青くなる。
「ほう・・・やはり言えんことをしようとしてたわけか」
海馬は面白そうに喉の奥で笑った。
ちょと待て。
・・・考えたら海馬の位置からじゃ遊戯は小さいからオレの影になって何をしようとしてたかまでは見えなかったんじゃないのか?!
くそ、引っ掛けられた。
「何をしようとしてたのかオレも気になるな、城之内くん?」
背後から聞こえた声と漂う不穏な空気にオレの身体は凍りついた。
「ふん」
海馬はその間に緩んだオレの手を弾く。
ゆっくり、振り返るとそこに<遊戯>の満面の笑顔。
・・・口は笑ってるのに目が思いっきり笑ってない。
気のせいか額に青筋立ててるような・・・。
はっきり言ってマジで怖い。
「いや・・あの・・」
言い訳するのもみっともねえし、もうこの際腹くくって打ち明けちまうかと思った矢先、横から邪魔が入った。
「遊戯」
いたのかまだ。
さっさと散れ!
オレの心の内など無視して海馬は続ける。
「お前に教師から伝言がある」
「なんだ」
<遊戯>はいらいらしたように答えた。
海馬のこういう神経の図太さはソンケイに値するかもしれない。
普通の人間はこういうときの<遊戯>には近づかないぜ。
「お前じゃなく、もう一人の方だ」
「オレが聞く。なんだ」
「お前では意味がない」
<遊戯>はむっとした様子でさらに反論しようとしたがふとそれを止めた。
なにやらぶつぶつ言っている。
内部会議が始まったようだ。
・・・遊戯はまだ寝てたんだな。きっと。
千年パズルが光ったように感じたあとそこにいたのは遊戯だった。
「なに?海馬くん」
海馬の前でちょっと首を傾げてヤツを見上げる遊戯はやっぱ可愛い。
「お前に教師から伝言を言付かった」
センセイが遊戯に何の用なんだか。
どうでもいいけどこんなヤツに伝言なんか頼むなよな。
まあ海馬のヤツは教師受けがいいからな。
センセの前じゃ巨大ネコを被ってやがるし。
ホントはこっっんなに性格歪んでんのに。
「城之内に理科準備室にいるからと伝えてくれ、だそうだ」
ああそう、理科準備室ね・・・って。
「ちょっと待て!こら!!」
「なんだ」
海馬はうるさそうにこちらに視線を向けた。
「なんでそれを遊戯に言うんだよ、てめえは!」
「遊戯を見かけたら伝えてくれと頼まれたからだ」
だからってだからって・・・。
本人がいるのにわざわざ遊戯に言うか、フツー!
しかも<遊戯>を引っ込めさせて、だ。
遊戯と話がしたかっただけじゃねえのか?!
「伝えたぞ」
「うんありがとう、海馬くん」
無邪気に礼を言える遊戯ってすげえよな・・・。
「ではオレは社に戻る」
「うん、またね!」
海馬の姿が視界から消えてからオレはふと我に返った。
「じゃあ、行ってくるわ」
ああくそなんかムカツクなー。
だいたい理科準備室って嫌いなんだよな。
ヘンなもんいっぱいあるし。
ぶつくさ思いながらオレのパンを手にとる。
もう昼休みも残り時間少ないし食いながら行っちまおう。
「遊戯、待っててくれてのに悪いな。食っちゃってくれ」
「んー、行ってらっしゃい」
遊戯は言いながら自分のパンの袋を破いた。
“いってらっしゃい”ってなんかいい響きだよな・・・新婚さんみたいじゃんか?
「そうだ」
また思考がずれ始めたオレを遊戯の声が現実に引き戻した。
「さっき、もうひとりのボクと何話してたの?」
オレは思わず固まった。
・・・にこにことオレを見上げる遊戯はカワイイ。
カワイイのだがオレの背中は嫌な感じの汗が流れていた。
「いや・・・別に・・・」
「そう?」
オレの返事がしどろもどろなのを遊戯がそれほど気にしていないのをいいことにオレは理科準備室へ向かうために階段を駆け下りる。
・・ああ焦った。
とりあえず5時間目が始まるころには遊戯がそんなことを忘れてくれてるといいんだが。
オレはパンを齧りながらそんなことを考えていた。
END
屋上へ続くドアを開けると、フェンスに寄りかかって目当ての人物は気持ちよさそうに寝ていた。
確かに今日はいい天気だし、風も気持ちいい。
昼寝をするには最適だ。
購買で買ってきたらしいパンと牛乳がわきにまとめて置いてあった。
オレの頼んだヤキソバパンとコロッケパンも。
オレのこと待ってるうちに眠くなっちまったらしい。
先に食っちまっていいって言ったのにな。
待っててくれるところが遊戯らしい。
そのらしさがすごい嬉しかったり。
オレは野暮用で担任を探していたんだがどうも捕まらず遊戯の待つ屋上に上がってきちまったわけだ。
人のこと呼び出しといてどこ行っちまったんだか。
遊戯とすごす貴重な昼休みなのに。
「おい、遊戯」
軽く揺すってみる。
「ん〜・・・」
遊戯は目を覚まさない。
薄く開かれた唇にオレの目は釘付けになった。
そっと前髪をかきあげてその見た目よりも柔らかい感触を楽しみながらもっと柔らかいだろうソコに自分の顔を近づける。
マズイ。
マジでやばい感じ。
待て!オレ!!ダメだってのに。
相手が寝てるってのにそれはフェアじゃないだろ。
頭の中で思いっきりダメだししてるにも関わらずオレはどんどん遊戯に近づいて行ってしまう。
吐息が触れるほど、近く。
「遊戯・・・・」
オレの呟いた言葉は震えていたかもしれない。
我ながらちょっと情けないが。
しかし。
目的のモノに接触する直前、オレは左後頭部に猛烈な衝撃を喰らって右に倒れた。
なんだなんだなんだ!
ものすごい音したぞ、ぐあん!って!!
がん、どころじゃなかった。
だがそこはソレ、ケンカ馴れしてるというかなんというかすばやく立ち直って臨戦体制に入る。
振り返るとそこにいたのは。
「海馬ぁ!!何しやがるてめぇ!!」
この野郎、回し蹴り喰らわしただろう?!
てめぇのことは大嫌いだがいきなり蹴り入れられるほどのことはしてねぇぞ、オレは。
てめぇにはいろいろされたがな。
遊戯は忘れてもオレは絶対許さねぇ。
「フン」
胸倉掴んで詰め寄るオレを海馬はハナであしらった。
その人を馬鹿にした笑い方も嫌なんだよ、オレは!
「何したか、だと?そういう貴様は何をしようとしていたんだ?」
「な・・・」
オレは言葉に詰まった。
・・・コイツも遊戯狙いだし。
あれだけあからさまなんだ、誰だってわかる。
わかってないのは遊戯本人くらいだろう。
寝てる遊戯にキスしようとしてたなんて口が裂けても言えない。
言えるわけない。
寝てる隙に、なんてそんな卑怯なことしようとしてたことを遊戯にバラされた日にゃ・・・。
思わず青くなる。
「ほう・・・やはり言えんことをしようとしてたわけか」
海馬は面白そうに喉の奥で笑った。
ちょと待て。
・・・考えたら海馬の位置からじゃ遊戯は小さいからオレの影になって何をしようとしてたかまでは見えなかったんじゃないのか?!
くそ、引っ掛けられた。
「何をしようとしてたのかオレも気になるな、城之内くん?」
背後から聞こえた声と漂う不穏な空気にオレの身体は凍りついた。
「ふん」
海馬はその間に緩んだオレの手を弾く。
ゆっくり、振り返るとそこに<遊戯>の満面の笑顔。
・・・口は笑ってるのに目が思いっきり笑ってない。
気のせいか額に青筋立ててるような・・・。
はっきり言ってマジで怖い。
「いや・・あの・・」
言い訳するのもみっともねえし、もうこの際腹くくって打ち明けちまうかと思った矢先、横から邪魔が入った。
「遊戯」
いたのかまだ。
さっさと散れ!
オレの心の内など無視して海馬は続ける。
「お前に教師から伝言がある」
「なんだ」
<遊戯>はいらいらしたように答えた。
海馬のこういう神経の図太さはソンケイに値するかもしれない。
普通の人間はこういうときの<遊戯>には近づかないぜ。
「お前じゃなく、もう一人の方だ」
「オレが聞く。なんだ」
「お前では意味がない」
<遊戯>はむっとした様子でさらに反論しようとしたがふとそれを止めた。
なにやらぶつぶつ言っている。
内部会議が始まったようだ。
・・・遊戯はまだ寝てたんだな。きっと。
千年パズルが光ったように感じたあとそこにいたのは遊戯だった。
「なに?海馬くん」
海馬の前でちょっと首を傾げてヤツを見上げる遊戯はやっぱ可愛い。
「お前に教師から伝言を言付かった」
センセイが遊戯に何の用なんだか。
どうでもいいけどこんなヤツに伝言なんか頼むなよな。
まあ海馬のヤツは教師受けがいいからな。
センセの前じゃ巨大ネコを被ってやがるし。
ホントはこっっんなに性格歪んでんのに。
「城之内に理科準備室にいるからと伝えてくれ、だそうだ」
ああそう、理科準備室ね・・・って。
「ちょっと待て!こら!!」
「なんだ」
海馬はうるさそうにこちらに視線を向けた。
「なんでそれを遊戯に言うんだよ、てめえは!」
「遊戯を見かけたら伝えてくれと頼まれたからだ」
だからってだからって・・・。
本人がいるのにわざわざ遊戯に言うか、フツー!
しかも<遊戯>を引っ込めさせて、だ。
遊戯と話がしたかっただけじゃねえのか?!
「伝えたぞ」
「うんありがとう、海馬くん」
無邪気に礼を言える遊戯ってすげえよな・・・。
「ではオレは社に戻る」
「うん、またね!」
海馬の姿が視界から消えてからオレはふと我に返った。
「じゃあ、行ってくるわ」
ああくそなんかムカツクなー。
だいたい理科準備室って嫌いなんだよな。
ヘンなもんいっぱいあるし。
ぶつくさ思いながらオレのパンを手にとる。
もう昼休みも残り時間少ないし食いながら行っちまおう。
「遊戯、待っててくれてのに悪いな。食っちゃってくれ」
「んー、行ってらっしゃい」
遊戯は言いながら自分のパンの袋を破いた。
“いってらっしゃい”ってなんかいい響きだよな・・・新婚さんみたいじゃんか?
「そうだ」
また思考がずれ始めたオレを遊戯の声が現実に引き戻した。
「さっき、もうひとりのボクと何話してたの?」
オレは思わず固まった。
・・・にこにことオレを見上げる遊戯はカワイイ。
カワイイのだがオレの背中は嫌な感じの汗が流れていた。
「いや・・・別に・・・」
「そう?」
オレの返事がしどろもどろなのを遊戯がそれほど気にしていないのをいいことにオレは理科準備室へ向かうために階段を駆け下りる。
・・ああ焦った。
とりあえず5時間目が始まるころには遊戯がそんなことを忘れてくれてるといいんだが。
オレはパンを齧りながらそんなことを考えていた。
END
2001.10.19