小姑様シリーズ・御伽→表・表受
小姑様拗ねてて御伽くんちょっぴり幸せ編(笑)
小姑闇様シリーズとは
遊戯ちゃんを溺愛してる闇様が
大事な相棒を守るため邪な心を持って近づいてくる輩を撃退する話(ちょっとウソ・笑)です。
遊戯ちゃん逆ハーレム状態。でも無自覚。
小姑様拗ねてて御伽くんちょっぴり幸せ編(笑)
小姑闇様シリーズとは
遊戯ちゃんを溺愛してる闇様が
大事な相棒を守るため邪な心を持って近づいてくる輩を撃退する話(ちょっとウソ・笑)です。
遊戯ちゃん逆ハーレム状態。でも無自覚。
御伽龍児はチョコレート売り場にいた。
俗に言う「バレンタイン特設コーナー」である。
主に女性の集まるこの特殊な空間で比較的容姿端麗である(と、自分でも思っている)男子高校生ははっきり言って目立っていた。
チョコレートを選びにきた女の子達の注目の的になっている。
しかしそんな視線など御伽は気にしてはいられなかった。
なにしろ明日はバレンタインデーなのである。
日本ではすっかりチョコレートをもらえる日として定着している2月14日。
実は御伽にも心密かに(と、自分では思っている)思いを寄せる人がいた。
笑顔のとびっきり可愛い人。
しかし悲しいかな、御伽の想い人は御伽のことをただの「友達」としか見てくれていないのだ。
チョコレートなどもらえるはずもなかった。
義理チョコも望みは薄いだろう。
そこで御伽は考えたのだ。
では、こちらからあげてしまおう!
かの人は甘いものが大好きなのだ。
特にチョコレートは好きらしい。
貰えないなら送ってしまえ、というこの発想の転化がすばらしい(と、自分で思っている)
この閃きでもってD.D.Dを考案したのだから。
とにかく御伽は財布の許す限りの本命チョコをゲットして帰途についた。
決戦は明日だ。
翌朝、学校に行こうと家を出た武藤遊戯は自宅玄関前で同級生と鉢合わせた。
「あれ、御伽くんおはよう」
どうしたの?、と小首を傾げてみせる。
そりゃあそうだろう。
火事の一件で御伽の家は遊戯の家より学校寄りに引っ越したし、こんな朝早く家の前にいる理由などわかるわけもない。
ましてや御伽が「か、可愛い・・・」などとハートマーク付きで感動していることなどもちろん知る由もない。
「これ」
努めてぶっきらぼうに遊戯の前に差し出された包みは意外と大きい。
目の前に出されたそれを素直に受け取って遊戯は聞いた。
「なに?これ」
「チョコレート。好きだろう?」
「・・・・・うん」
たっぷり間をおいて遊戯は答えた。
確かに好きだ。大好きだ。
しかし遊戯とて今日が一体何の日か知らないわけはない。
バレンタイン。
日本では一般的に女の子が好きな男の子にチョコレートを送る日になっている。
そのバレンタイン当日に自宅前で待ち伏せを受けて同級生の男子生徒からこんな大きなチョコレートを貰う。
普通ならば2,3歩後退したくなる事態ではある。
遊戯の感想も正直言えば『御伽くんって・・・・ヘン・・・?』なのだがその感想とチョコレートを秤にかけるとチョコレートの方が重かった。
とりあえず、チョコに罪はない。
これで“手作りチョコ”などと言うとまた話は変わってくるのだが、まあとにかく遊戯は深く考えないことにした。
「ありがとう、御伽くん」
にっこり。
遊戯のこの笑顔だけでも御伽にとっては十分すぎるほどの幸福なのだ。
学校に持ってくのもなんだし、置いてくるねと家の中に引っ込みかけた遊戯がふと思い出して言った。
「そうだ、これママからなんだけど」
いつものリュックとは別に母親のお手製らしい巾着袋から取り出された、可愛らしくラッピングされたもの。それは。
「みんなにあげなさいって」
渡された御伽の方はもう遊戯の話など聞いちゃいなかった。
“ママから”も“みんなに”も耳に入ってはいない。
まったく都合のいい耳である。
遊戯が貰ったチョコレートを家に置いて出てくると御伽はまだ“ママからの義理チョコ”を抱きしめて幸せに浸っていた。
「御伽くん、今日自転車なの?」
「・・・ああ」
傍らに止めてある自転車は、もちろんあわよくば遊戯を後ろに乗せてツーショットで登校しようという御伽の願望の固まりである。
はやる気持ちを抑えてなるべくさりげなく申し出る。
「もし良かったら・・・」
しかし『乗っていくか?』と続けようとした御伽の台詞は遊戯によって阻まれた。
「え、うん、わかってるよ」
他人にはただの独り言にしか見えないが多少なりとも事情を知っているものならわかる。
遊戯は<もうひとりの遊戯>と会話しているのだ。
「ごめん、御伽くん。もうバス来るからボク行くね!」
「え、」
「またあとで」
御伽が結局何も言い出せないうちに遊戯はさっさと行ってしまった。
「もう、何怒ってるのさ」
またもや大きな声の独り言を残して。
急いでいたのはどうも<遊戯>の機嫌が悪いのが原因らしかった。
しかし野望こそ阻止されたものの御伽はそれでも幸せそうであった。
くどいようだが遊戯の母親からの義理チョコを抱いて。
END
義理でも嬉しいとぎでした(^_^)
俗に言う「バレンタイン特設コーナー」である。
主に女性の集まるこの特殊な空間で比較的容姿端麗である(と、自分でも思っている)男子高校生ははっきり言って目立っていた。
チョコレートを選びにきた女の子達の注目の的になっている。
しかしそんな視線など御伽は気にしてはいられなかった。
なにしろ明日はバレンタインデーなのである。
日本ではすっかりチョコレートをもらえる日として定着している2月14日。
実は御伽にも心密かに(と、自分では思っている)思いを寄せる人がいた。
笑顔のとびっきり可愛い人。
しかし悲しいかな、御伽の想い人は御伽のことをただの「友達」としか見てくれていないのだ。
チョコレートなどもらえるはずもなかった。
義理チョコも望みは薄いだろう。
そこで御伽は考えたのだ。
では、こちらからあげてしまおう!
かの人は甘いものが大好きなのだ。
特にチョコレートは好きらしい。
貰えないなら送ってしまえ、というこの発想の転化がすばらしい(と、自分で思っている)
この閃きでもってD.D.Dを考案したのだから。
とにかく御伽は財布の許す限りの本命チョコをゲットして帰途についた。
決戦は明日だ。
翌朝、学校に行こうと家を出た武藤遊戯は自宅玄関前で同級生と鉢合わせた。
「あれ、御伽くんおはよう」
どうしたの?、と小首を傾げてみせる。
そりゃあそうだろう。
火事の一件で御伽の家は遊戯の家より学校寄りに引っ越したし、こんな朝早く家の前にいる理由などわかるわけもない。
ましてや御伽が「か、可愛い・・・」などとハートマーク付きで感動していることなどもちろん知る由もない。
「これ」
努めてぶっきらぼうに遊戯の前に差し出された包みは意外と大きい。
目の前に出されたそれを素直に受け取って遊戯は聞いた。
「なに?これ」
「チョコレート。好きだろう?」
「・・・・・うん」
たっぷり間をおいて遊戯は答えた。
確かに好きだ。大好きだ。
しかし遊戯とて今日が一体何の日か知らないわけはない。
バレンタイン。
日本では一般的に女の子が好きな男の子にチョコレートを送る日になっている。
そのバレンタイン当日に自宅前で待ち伏せを受けて同級生の男子生徒からこんな大きなチョコレートを貰う。
普通ならば2,3歩後退したくなる事態ではある。
遊戯の感想も正直言えば『御伽くんって・・・・ヘン・・・?』なのだがその感想とチョコレートを秤にかけるとチョコレートの方が重かった。
とりあえず、チョコに罪はない。
これで“手作りチョコ”などと言うとまた話は変わってくるのだが、まあとにかく遊戯は深く考えないことにした。
「ありがとう、御伽くん」
にっこり。
遊戯のこの笑顔だけでも御伽にとっては十分すぎるほどの幸福なのだ。
学校に持ってくのもなんだし、置いてくるねと家の中に引っ込みかけた遊戯がふと思い出して言った。
「そうだ、これママからなんだけど」
いつものリュックとは別に母親のお手製らしい巾着袋から取り出された、可愛らしくラッピングされたもの。それは。
「みんなにあげなさいって」
渡された御伽の方はもう遊戯の話など聞いちゃいなかった。
“ママから”も“みんなに”も耳に入ってはいない。
まったく都合のいい耳である。
遊戯が貰ったチョコレートを家に置いて出てくると御伽はまだ“ママからの義理チョコ”を抱きしめて幸せに浸っていた。
「御伽くん、今日自転車なの?」
「・・・ああ」
傍らに止めてある自転車は、もちろんあわよくば遊戯を後ろに乗せてツーショットで登校しようという御伽の願望の固まりである。
はやる気持ちを抑えてなるべくさりげなく申し出る。
「もし良かったら・・・」
しかし『乗っていくか?』と続けようとした御伽の台詞は遊戯によって阻まれた。
「え、うん、わかってるよ」
他人にはただの独り言にしか見えないが多少なりとも事情を知っているものならわかる。
遊戯は<もうひとりの遊戯>と会話しているのだ。
「ごめん、御伽くん。もうバス来るからボク行くね!」
「え、」
「またあとで」
御伽が結局何も言い出せないうちに遊戯はさっさと行ってしまった。
「もう、何怒ってるのさ」
またもや大きな声の独り言を残して。
急いでいたのはどうも<遊戯>の機嫌が悪いのが原因らしかった。
しかし野望こそ阻止されたものの御伽はそれでも幸せそうであった。
くどいようだが遊戯の母親からの義理チョコを抱いて。
END
義理でも嬉しいとぎでした(^_^)
2001.02.14