痴話喧嘩みたいな。
「相棒・・・」
後ろからそっと抱きすくめられる。
耳元で呼ばれるともうそれだけでふにゃん、となっちゃいそうだけど。
でも!!
「今日はもうヤダからね!」
ここで流されたりしないんだから。
だって今日はイジワルしたんだから。
あんな、コト。
思い出すだけでカオが赤くなってしまう。
それなのに。
「なんで・・?」
なんでって。
そんな目をして見ないでよう。
拗ねてるみたいな、怒られた子供みたいな。
うぅっ、ズルイ!!
絶対わかっててやってるでしょう?
ボクがソレに弱いって。
でも今日はダメ!
ダメなんだからね。
ボク、ホントに怒ってるんだから〜!
「じゃ、・・キスだけ」
「・・うん」
ホントにキスだけだからね。
一応念を押す。
“もうひとりのボク”は約束は必ず守ってくれるから念なんか押さなくてもいいんだけど。
わざわざ念を押しとくのは、ボクに押してるんだ。
だって、キスはスキだし。
本当は・・・その先だってイヤじゃない。
もっと近くに感じられるから。
・・・キモチイイし。
クス、と“もうひとりのボク”が笑った。
「キスだけじゃなかったのか」
「もう!イジワル!!」
慌てて押しのけようとした腕をとられて引き寄せられた。
そして。
もっと深い・・・キス。
「キスだけ?」
もう〜ほんとにイジワルだ。
でも。
嘘なんかつけないし。
「・・・じゃヤダ」
小さい声でいいながら“もうひとりのボク”に、キス。
だって好きなんだもん。
だからもっと近くにいたいと思うことは当然なんだもん。
もっともっと・・・。
「・・・大好き」
すごくわがままな気持ち。
でも、キミもおんなじ気持ちなんだもん。
いいよね。
END
2000.07.24
正直黒歴史(笑)