頬を包むてのひら泣き落としもいいでしょうたまには色仕掛けも必要です笑顔で名前を呼びましょう凌W



 

 

頬を包むてのひら

 

 

「っつ!」
頬に伸ばしてきた手が、傷をなぞる。
と、突然、ギリ、と爪を立てられてWは声を荒げた。
「痛えだろうが!何すんだ凌牙!」
「痛いのかよ」
「そりゃ爪立てられたら痛いに決まってんだろ」
凌牙から距離を取り、文句を言う。
凌牙は不機嫌に言った。
「その傷」


「オレが付けてやりたかった」


ムカつくぜ。
そんなこと言われても、どう対応したらいいか解らない。



***
凌W

 

13.07.13




好きなところを10こ
white lie

 

 

 

 

 


 

 

 

泣き落としもいいでしょう

 

 

「ねえ、兄さま、お願いします」
「ぜってーやだ」
遊馬の様子をミハエルは見に行きたいらしい。
けれどトーマスは二度と会いたくないと思っている。
「酷い目に合わされた相手が今更のこのこ訪ねて行ったって、何しに来たこの野郎ってフツー思うだろ」
「遊馬はそんな子じゃありませんよ」
確かに遊馬はそうだろう。
けれど凌牙は違う。
何しに来たこの野郎と絶対に言うだろう。
言われたら此方も売り言葉に買い言葉で返してしまう。
謝罪の台詞も何処かへ飛んでしまう。
「行きたきゃクリスに連れてってもらえよ」
「そんな、兄さまも一緒に行きましょうよ」

可愛い弟の泣き落としに応じてやる気はない。


***
凌WとVちゃん

 

13.04.17



お題は此方から
corona

 


 

たまには色仕掛けも必要です

 

 

風呂から出てきたところでXと鉢合わせた。
此方を見て眉間に皺を寄せる。
あ、しまったまた説教されるな、と思った。
下は穿いてるけども上は着てない、タオルで頭を拭きながら今まさに出てきてトコ、と言う格好。
此れで何も言われない訳がない。
「服を着て出てきたらどうだ」
ほら始まった、高貴じゃないとかなんとか言うんだろう。
後は水を垂らすなちゃんと拭けとか、そんなん。
面倒臭い兄貴だ。
どうせもう後は寝るだけなんだからいいじゃねーか。
聞き流して通り過ぎようとしたら腕を掴まれた。
「そんな恰好でウロウロされては、私が困る」
「部屋行くからいいだろ」
お前が困ってったそんなの知るか。
そもそも此れ以外に着替えなんか持ってきてねえ。
「では私も行く」



…は?なんで?


翌朝隣で気持ち良さそうに眠るXの顔を眺めながら、Wは風呂の時はちゃんと着替えを持って行こうと決意した。


***
XW
無防備に色気を振りまいて食われる(笑)

 



 


恋の必勝法
corona

 

13.02.16

 

 


 

 

笑顔で名前を呼びましょう

 

「凌牙」
にこりと笑ってWが呼ぶ。
あの笑顔が大嫌いだ。
「その顔止めろって言ってるだろ」
何度言っても止めやしないが、一応もう一回言っておく。
別にコイツは馬鹿な訳じゃない、と思う。
オレが言ったことを覚えていない訳じゃない。
むしろ覚えているからこそ、オレが嫌がるからこそ、益々繰り返すんだ。
ただの嫌がらせ。
なんてムカつく奴。
それでも律儀に顔を見せにくる。
この阿呆を、別に待ってる訳じゃないけど。
「ファンにはウケがいいんだけどなァ」
被っていた巨大な猫を下ろしてWが楽しそうに笑う。



その顔の方がまだマシだ、なんて。


言ったらコイツ、どうするんだろうか。


***
Wさんがこの調子なのでデレられない凌牙さん

恋の必勝法
笑顔で名前を呼びましょう

 

2013.01.19

 

お題は此方から
corona

 

 


 

 

神代兄妹とWさんのクリスマス

 

玄関のチャイムの音。
こんな時間に誰だよ、と思いつつ扉を開けるといきなりクラッカーを鳴らされた。
「メリークリスマス!」
「…てめえ、W!其れ人に向けてやるなって親に教わらなかったのか!」
頭に乗ったゴミを床に叩きつけて怒鳴るとにこやか奴は言った。
「あいにく父さんは他の世界へ行ってた時間の方が長いんでね」
そうだった。
とは言えアニキとか居るんだし教えておいたっていいんじゃないだろうか。
つかそもそもクラッカーに注意書きが書いてあるだろうが!
怒鳴ろうとしたら璃緒も出てきた。
「五月蠅いわよ凌牙」
「璃緒、メリークリスマス」
「Wさん」
奴のことを呼ぶ璃緒の声に棘が無い。
いつの間にか仲良くなっているカンジがムカつく。
「此れ、クリスマスプレゼント」
「え、私に?開けてもいいかしら」
中身はデッキケースだった。
「ありがとう、ちょうど新しいのが欲しいなって思っていたの」
「喜んで貰えて嬉しい」
なんだこの野郎。
「オレには何にもないのかよ」
「おや凌牙は私からクリスマスプレゼントが欲しかったんですか?」
猫被ってる時の胡散臭い笑みを張り付けてWが言う。
その喋り方止めろって何度言っても止めないのは嫌がらせ以外の何ものでもない。
璃緒にはプレゼントでオレには嫌がらせかよ。
いい根性してるなコイツ。
「お前からのプレゼントなんて居るかよ」
Wは璃緒に向かって頭を下げた。
「では此れで」
「待って、」
「ちょ、待ておい!」
奴を追いかけて外に出たが、其処には誰も居なかった。
紋章の力はもうない筈なのにどうやって移動してんだアイツ。


家へ戻ると玄関に小さな箱が置いてあった。
中身は璃緒と色違いのデッキケース。
あの馬鹿。


璃緒だって―――――オレだって一応、お前にやるもの、用意してあったのに。



***
凌W
デレ損なう凌牙さん
Wさんの神代兄妹サンドを目論む私。

12.12.22

 

 


 

 

 

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