■触れ合って■

遊アス
恋に堕ちた人





 



 

 

デュエルをしたら仲間になれるっていうのは遊馬の持論だ。
デュエルをすればソイツのことが解るし、解れば仲良くなれる。
オレはお前のライバルになる男だ。
アリトはそう言った。
最初は何考えてるかわからない奴だと思ったけれど、熱いデュエルをする奴だった。
だからライバルだ、なんていい笑顔で言われて遊馬はすっかりご機嫌だ。
ところがアストラルはと言えば何故だかあまり機嫌が良くないようだ。
「どうしたんだよアストラル」
今回はバリアンの手先とのデュエルじゃなかったし、その点に関しても良かったと思うんだけど。
負けたらアストラルは消えてしまうんだし、そんな危ない目にばっかり合わせたくない。
アストラルを危険に晒したくない。
遊馬はそう思っているのだが、アストラル的にはナンバーズがなかなか集まらない事が面白くないのだろうか。
「何か機嫌悪くねえ?」
考えていても相手の思っていることなんて解らないから、遊馬は直接聞いてみることにした。
『遊馬、キミは機嫌がいいな』
「え?ああうん、だって今日のデュエル楽しかったし」
アイツ、いい奴だったじゃん。
そう言うとアストラルはまた複雑な顔をした。
「アストラル?」
『…キミが』
言うかどうしようか、少し迷ったように、ゆっくりとアストラルは言う。
割とはっきりとモノを言うタイプなのでこんなことは珍しい。
アストラルをじっと見上げて、次の言葉を待ってやるとやっと口を開いた。
『誰かと仲良くしていると、私は胸が苦しくなる時がある』
「え!?」
アストラルの言葉に遊馬は焦った。
何か病気だろうか。
いやしかし自分が誰かと仲良くしていると発病する病気って何の病気だろう。
姉の明里、もしくは祖母に聞いたらわかるだろうか。
「大丈夫かよアストラル」
『ああ…今は平気だ。何故だろう』
何故だろうって言われても。
遊馬には当然解らない。
「早く家帰って寝ろ…ってお前寝ないんだっけ!」
ああもう!遊馬はじたばたと騒ぐ。
「具合悪いなら早く言えよ。熱は…って測れないし!」
遊馬はまたどうすりゃいいんだよ!と騒いだ。


小鳥や凌牙やカイト。
随分多くの人と関わって、自分だけではなく他の人にも見えるようになったアストラルだけれど、やっぱり彼に触ることは出来ない。


「お前に触れればいいんだけどなあ…」


そっと頬に手を伸ばす。






やっぱり触れなかったけれど、アストラルは気持ち良さそうに目を閉じた。




 

END



遊アス
最初のアリト戦の後
無自覚でヤキモチ焼くアストラルさん
遊馬くんもまさかヤキモチ焼かれているとは思うまい(笑)




お題は此方から
corona

 

13.02.02

 

 

 

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