・つまらない話も聞きとる耳
「腹減った〜夕飯何かな〜」
帰り道、土手を歩きながらそう呟く。
アストラルが少し呆れたように言った。
『キミはデュエルと食べ物の話しかしないな』
「いいだろ!此れが健全なデュエリストだよ!」
『成程そういうものか』
アストラルがクス、と笑う。
最初の頃はいつでも他人が側にいるのが嫌で仕方なかった。
独り言でもすぐ拾って何だかんだ言ってくるし、鬱陶しくて仕方なかった。
でも今は、アストラルが皇の鍵に引っ込んじゃうとなんだか物足りない。
オレの言葉に返事が返って来ないのが、寂しい。
だから。
ずっと一緒に居られたらいいなあ、なんてと思うんだ。
***
遊アス
13.12.14
好きなところを10こ
white
lie
・自分だけを見てくれる瞳
「シャーク妹にまでお前が見えるようになって、よかったんだけど」
『どうした遊馬』
「…なんか面白くないっていうか」
『遊馬、キミの言うことは未だに時々わからない』
大分理解できるようになったと思うんだが。
アストラルは言う。
昔と比べたらアストラルは随分と人間臭くなった。
喋り方ひとつにしたって、前より何考えてるかがわかりやすい。
でも多分オレのこのもやもやした気持ちは解って貰えないと思う。
だってオレだって此れがなんだかよく解らないんだから。
***
遊アス
ヤキモチを焼いてることすら自覚なしwww
13.09.14
好きなところを10こ
white
lie
・落ち着いた話し声
『落ちつけ遊馬』
アストラルはデュエルの最中に良くそう言う。
オレはすぐにかっとなってしまう性質だから、なんかもうしょっちゅう言われてる気がする。
「わかってるよ!」
つい、怒鳴り返してしまうけど。
でもアストラルの声は何時でもとても静かで。
だんだんオレを落ち着かせてくれる。
まるで水がゆっくり地面に吸い込まれていくみたいに沁みてくる。
人間って水がないと生きられないんだって。
多分オレにとってアストラルは水なんだ。
***
遊アス
13.06.15
好きなところを10こ
White
lie
・思い切って触れてみましょう
そっとその透ける身体に手を伸ばす。
触れないと解っていたけれど、やっぱり自分の手はアストラルの身体をすり抜けてしまった。
じっと手を見る。
『どうした遊馬』
「お前もさ、バリアンの奴らみたいに人間に化けてくれば良かったのに」
バリアンの連中は本当の姿ではなく、この世界の人間の恰好をして此方にやってくる。
アストラルもそうすればよかったのに。
そうしたら、この手で触れることが出来たのに。
『だがそれでは、遊馬、キミとこうして一緒に居たかどうか解らない』
「そっか…そうだよなあ」
触れないからこそ焦がれるのだと遊馬はもう知っている。
***
遊アス
13.05.11
恋の必勝法
corona
・胃から落とすのが近道です
デュエル飯を食べていたら、アストラルがじっと見ているのに気が付いた。
『キミは実に美味しそうに其れを食べるな』
「美味いもん」
シンプルで大きくて美味い。
デュエルするのに元気が湧いてくる。
オレはデュエル飯が大好きだ。
そういやアストラルも食べてみたいとか言ってたことあったっけ。
「お前も食べられたらいいのになあ」
しみじみ言うとアストラルは、ふ、と柔らかく笑った。
思わず見惚れる。
コイツ、結構美人、だよな。
『私はキミが美味しそうに食べているのを見るのは好きだ』
「あ、そ、そうか。そりゃよかった」
なんか慌ててしまう。
『どうした遊馬』
アストラルは不審そうな顔したけど、お前見てどきどきしました、なんて言えっこない。
***
遊アス
13.0312
恋の必勝法
corona