■喜ぶ(ジャ遊)■ 京クロ現ぱろの番外・ジャ遊此れの後 引越し祝いを贈ってあげよう、みたいな。 今までのまとめ
「ジャック」
ソファで分厚いカタログを捲っていた遊星は訊いた。 窓辺の椅子で本を読んでいたジャックは顔を上げる。 「引っ越し祝いというのは何を贈ればいいんだろうな」 「クロウか」 クロウはもうすぐ引っ越す予定らしい。 もう部屋は決まって、後は引っ越すだけのようだ。 仕事の都合で引っ越し自体は手伝えないが、大事な幼馴染に、せめて何か役に立つものを贈ってやりたい。 ジャックは立ち上がってソファの背もたれ越しに、遊星の後ろからカタログを覗き込む。 そして青筋を立てて怒鳴った。 「・・・遊星、貴様、これは引き出物カタログではないか!」 「他になかったんだ」 手頃なカタログを貰ってきたら引き出物用だったのだ。 引き出物は結婚した側が用意するものであって、此方が用意してやるものではない。 わかっている。 そもそも彼らは結婚したわけでもないのだが。 「正式に同棲するんだ、結婚したも同然だろう」 「そんなこと認めん!」 遊星の言葉に、ジャックはさらに大きな声を出す。 遊星は、振り返ってじっとジャックを見つめた。 そのほんの少しの非難を滲ませた青い瞳にジャックが少し怯むのがわかる。 「・・なんだ」 「ジャックは鬼柳に冷たいな」 「・・・そんなことはない」 そんなことはない。 鬼柳自身のことは別に嫌っているわけではないのだ。 クロウと係わり合いさえなかったら、もっと気楽に付き合えただろう。 ただ、あのオレンジ頭の幼馴染が大切で仕方ない。 それだけなのだ。 「もう少し鬼柳に優しくしてやれ」 「貴様に言われる筋合いはないわ!」 この間だって車に付ける空き缶にしてやる、とか言っていた癖に、とジャックは言う。 遊星だってクロウの方を大事にしているのには大差ない。 クロウを泣かせるようなことをしたら、ただでは済まさないと思っている。 だけど。 ジャックの怒鳴り声をスルーして、遊星は言った。
遊星たんも喜ぶし。 ジャ遊夫婦はクロウたんが大好き!みたいな(^−^)
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